2026年6月17日水曜日

怪老人日乗:6月17日(水)

水曜日にはパンを食べよう。木曜日にはラッコを食べよう。というわけで一週間も真ん中あたりである。人間の脳にたとえるとちょうど割れ目のあたり、ブレイン・ヴァレーというやつだ。その谷間に住んでいるのは小さな河童の一群であるが、かれらは文字がないので、脳から情報を読み取って、それをキュウリに染みこませて文明の記録をしている。そういうような水曜日がきたら、あなたどうしますか?

さて久しぶりに日記をつけているのは他でもない、空から百億ドルが降ってきたからだ。というのは嘘で、大きな〆切が一段落したからだ。ずっと書いていて、うーん、これいつ書き終わるんだろう、と不審の念、略して不審念が湧いていた某文庫解説がやっと終わったのである。日曜の深夜、っていうか月曜の早朝か。書きも書いたり24枚にもなってしまった。当初11枚から12枚くらいだと思います、と連絡していたのだが倍以上になってしまった。申し訳ない。こうなるとちょっとしたサイズのジグソーパズルをやっているような感覚で、ピースをはめては悩んで、検討して、別のピースを当ててみて、という作業を延々やっていて、さすがに神経が疲れた。体力的にもだいぶへろへろである。

しかし送ったら気持ちが一気に晴れやかになるので、現金なものである。送るまではもう精神が追い詰められていてヤバいのに、送ったら万能感に包まれて、即席の小籠包みたいになってしまうのだから単純なものだ。ものなのだ。

でその日は12時から飯田橋で「怪と幽」の打ち合わせ、15時から神保町の集英社で新刊ホラー小説の取材。歩いていたら足がつってしまった。そのくらいへろへろであるが、まあがんばって行く。打ち合わせをやり、神保町のそば屋でお昼をとって、インタビュー取材1時間ほど。直接お会いするのは1年ぶりくらいの作家のKさんである。ホラーなことをいろいろ聞く。

終わって16時すぎ。東京堂、三省堂と覗いたがその日発売の『このホラーがすごい!2026年版』の大きな展開はなし。池袋ジュンク堂に寄ったらさすが、さっそくフェアの棚が設けられていた。しかし海外部門などまだ再入荷されていないものも多いみたい。さらなる大展開を期待しておりますよ。帰宅してご飯をたべて寝る。さすがに疲れた。

で昨日(火曜)。ちょっと早く起きて子供の弁当を詰め、朝ご飯のしたく。奥さまが関西に帰省していてワンオペなのである。子供を学校に送り出して、ほどなく私も飯田橋。某月刊誌の編集作業を昼まで。そのまま中央線で国分寺方面に移動して歯医者。抜糸。この一か月通っていたが、悪いところはだいたい治って、これれでしばらくは通院なし。歯ぐきを切開されところ、先週は腫れていたがだいぶよくなった。帰宅してお昼ご飯たべ、ちょっと仕事。子供を習い事に送迎したり、ご飯の用意してたりしたら、あまりまとめて原稿をやる時間も取れないのだった。

で今日である。朝4時台に起きられたので仕事始める。朝ご飯用意して、子供を学校に送り出し、YouTubeで無料配信されているマリオ・バーヴァ『血塗られた墓標』を見ながら仕事。さて月曜まで外出の用事もないし、本を読んだり、原稿を書いたり、動画を編集したりするぞ。あれ、あまり面白いオチじゃないな。今日の日記。ドキッとするようなことを書きたいな。白いドレスを着てピアノを弾いている人がいたんですよ、その人の指にね、小さい亀がいっぱい群がっていたんです……実話なんです……。



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