2023年3月2日木曜日

怪老人日乗:3月2日(木)

ブログ「基本読書」でおなじみの冬木糸一氏の『SF超入門』が出た。そろそろ星海社から嵯峨景子さんの少女小説ガイドブックも出るという。もちろんミステリ系のガイドブックはすでに何冊も出ているし、こうなると近年出ていないのはホラーだけで、任されている私としては「うう、みんなが給食を食べ終わって、校庭に遊びにいってしまう……」という焦燥感を覚えるのだった。いやあ、早く書かないとイカンですね。

具体的に作業は進めているのかといえば、毎日牛の歩みだが(まだ序盤のジョバンニ)進めてはいて、なんとかググッと進めたいところだけれども、他の仕事もあるしねえ。一日14時間くらい仕事ができればいいのだが、そんなマシーンヘッドみたいな人は存在するのだろうか。私は無理である。しかしま、できるだけがんばろう。

んで。昨日は良い天気の中、神保町でホラーワールドな取材。11時スタートだったので割と朝ちゃんとした時間に出る。奥さまも神保町の@ワンダーJG見たいというので出かけていったが、向こうではすれ違いで会うことなし。取材は某出版社にて。いくつもの会社が入っている堂々たるオフィスビルのワンフロアで、おしゃれなフリースペースのようなところでお話をうかがう。お話はとても充実したものだったが、取材中、すぐ横で自動販売機の補充が始まり、「それで……ガコガコガコガコ、というわけなので……ガコガコガコガコ、だから……ガコガコガコガコ」となるのには参った。ちゃんと録音できてるだろうなあ。

終わったらお昼過ぎ。なにか食べていきたかったがどこも混雑。このあたり大学生が多いから仕方ないのだ。飯田橋に移動して夜まで仕事。原稿書きを進めて、某月刊誌の編集作業も4時間ほど。うーむ、天気はいいし、取材も無事に済んだしでなんとなく晴れ晴れしてしまうが、まだ何も終わっていないのだった。

うちに帰ると子どもが熱を出して寝ている。早退して奥さまが迎えにいったらしい。といっても学校にコロナ感染者はゼロ、インフルもほとんど出ていないというので、ただの風邪らしい。裸に近い恰好で寝ているから寝冷えしたのだろう。

私は埼玉県の公立中学での事件(十代の少年が刃物持って教室に侵入したというあれ)のニュースを少し見てから原稿に戻った。気づけばフローリングで寝ていて、あわてて布団に入ったのが深夜2時。そして今日。

子どもはまだ学校休み。さて今日こそ粛々と原稿の類進めねば。ところで朝一番は事務仕事をすることが多くて、今日はパソコンのデータ移動&整理。このところPCのファンが高い音を立てるようになったので「そろそろ来るか」と備えているわけ。で、昔のデータを並べたり、不要なものは消したりしているのだが、うちのハードディスクはカオスというか宝の山というか。この20年近くの間に書いてきたあらゆる文章、各誌に書いてきた記事はもちろんのこと、同人誌用の原稿、バンドの歌詞、自主映画の脚本、日記、読書メモその他もろもろがごっちゃりと詰まっている。

なんとなんと、あの幻のカルト映画『ザ・マウス』の脚本まで残っていた。びっくり!といっても誰も知らんでしょうが、私が上京してすぐに友だちと撮った自主ホラー映画で、撮影期間1日、そこらへんのネズミのおもちゃと百均で揃えた衣装で早撮りした短編である。この世で見ている人は限られているが、なぜか京極夏彦氏は見ているという不思議な作品でもある。




ストーリーはというと、雪舟のような天才フランス人画家の描いたネズミの絵が抜け出して、不信心な娼婦ドリアンを食い尽くすという話。私が画家、同郷の友人I君が被害者ドリアン、ドリアンを更正させようとする宣教師マリアの役を当時同棲していた彼女、現奥さまが演じている。

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