2018年3月7日水曜日

怪老人日乗:3月6日(火)

 晴れたり曇ったり。気温20度近くあったそうだが、さほどにも感じず。しかし冬コートなしでも外出できるのだから、温かいのでしょうね。息子なんて半袖。


朝食とった後、ようよう確定申告に着手。12か月分のレシートをひたすら帳簿に打ちこむ。3月6日に着手できたら、まあ御の字ではないでしょうか。
使っている経理ソフトは、塚田祐子『フリーランスのための超簡単!青色申告』(クリエイティブワークステーション)という、書籍を購入するとダウンロードできるやつ。青色申告をはじめて以来ずっとこれのお世話になっている。ダウンロードパス欲しさに毎年ほぼ同内容の本を購入していたが、さすがにもう要らんだろう、ということになり今年からはソフトのみの購入に切り替え。しかしこのサボテン君を見ると、いよいよ年度末という実感が湧いてきますな。




4時間ほどかかって経費の打ち込みが終了。この手の単純作業は、音楽を聴きながらできるし嫌いではない。普段、本を読んだり文章を書いたりという生活だから、あんまり音楽を聴く時間が取れないのである。で、今日聴いたアルバムは以下。
・QP-CRAZY『タンク山の動物園』
・フラワー・トラベリン・バンド『SATORI』
・シモーヌ深雪『血と薔薇』
・戸川昌子『インモラル物語』
・曲馬館『泪橋哀歌 夢魔と狂騒』


『血と薔薇』はシャンソン歌手にしてドラァグクイーン、シモーヌ深雪先生による1998年発表の名盤。「午後の曳航」「肉体の悪魔」「陰獣トリステサ」「ゼリュシャ」などの曲名からもうかがえるように、内外の幻想文学にインスパイアされた、エロティシズム&SM趣味横溢の耽美的シャンソンが堪能できる。
ややチープな打ち込み音(もまた愛らしいんだけど)をカバーしてあまりある、異端の悲しみにみちた歌声と歌詞がとにかく最高。もう何度聴いてもうっとり。三島由紀夫、澁澤龍彦、森茉莉、中井英夫、須永朝彦、皆川博子……といった文学の系譜、そして何より美輪明宏が好きな人なら、絶対に聴いて損のない傑作です!


戸川昌子の『インモラル物語』も似た傾向の背徳系シャンソンアルバムで、阿部定とサドをモチーフにした「お定恨み節」などを収録する。わたしは結局こういうのが好きなんだなあ。『泪橋哀歌』は1970年代に活動したテント劇団・曲馬館の劇中曲集。韓国語の朗読を含む「イヨ・ナンニョンヒ」から「燃ゆる難破船」を経て、歌詞が危険すぎる「日本乞食オペラのテーマ」になだれこんでいく流れには興奮させられる。なお、18曲目「愚者の謝肉祭のテーマ」は、坂本龍一の作曲。


つづきは明日以降にして午後は外出。古本屋で本を20冊ほど買い取ってもらった後、ファミレスにこもって書評原稿をやる。これも完成は明日以降か。合間にK社より電話あって、取材仕事を1件受注。
駅前書店で雪富千晶紀『レスト・イン・ピース 6番目の殺人鬼』(角川ホラー文庫)購入して帰る。この作者は最近青春ホラーの書き手として売り出されつつあるが、基本的には昨今珍しいほど王道の超自然ホラー作家なのである。3冊目となるこの新作も、そういうわけで期待しているのだ。
道中、バイクのエンジン付近から聞いたことのない異音がして、ちょっと心配になる。電動ゾイドの手足を無理やり抑えつけた時のような、甲高いカリカリ音。このところサボっていたが、早いとこ定期点検に出さなければ。




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