2018年2月21日水曜日

怪老人日乗:2月20日(火)

背中に火を点けられたような案配で起床。朝方から終わっていない仕事をやる。ちなみに快晴。冬はもうおしまいかしら。と、思うと2月末にもう一回くらい雪が降ったりするのが通例だが、サテ今年はどうか。


朝食とってすぐさま近所のドトール。頭をまとめて某社の原稿。30分ほどやっていたら子どもが迎えに来て、家族3人中央線に乗る。家族は浅草寺にお守りもらいにいくというので、途中まで一緒に出かけたのである。わたしは四谷で降り、そのまま飯田橋、星鹿教団にこもってせっせこ原稿のつづき。お昼になったので店を出て、サクラテラス2階のイタリア料理屋で知人と会食。
この年になると将来の相談などされることあり、「わたしなんかに相談していいんかいな」と思わなくもないが、 自分も若い時分ずいぶん年長者に世話になったので、恩返しのつもりでできるだけ相談に乗るようにしている。今日もその手の相談であった。


で。
よく聞かれるので、ライターをやってみたいという人のために書いておくと、最初はやっぱり持ち込みですよ。いろんな媒体にコンタクトを取って、書いたものを見てもらう。商業的な文章を定期的に書ける人間ですよ、と誠実にアピールする。身近に編集者の知り合いでもいれば別だけど、そうでなければこれが王道にして早道であろう。
ネット上に面白い文章を書いているから、そのうち出版社から声がかかるのでは……と淡い夢を見る人もいるようだが、そういう待ちの姿勢でいると割とすぐ30歳、40歳になってしまうのでご注意を。


どんな仕事でもそうだろうが、ライター稼業も半村良の「箪笥」みたいなもので、やってみないと分からないことがたくさんある。ぼんやり「なりたいなあ」と思っているくらいなら、入り口はどこでもいいからまずは飛びこんでしまうのがいいのでしょう。近年はウェブメディアも増え、ライターの需要が高まっているし、自発的に動けばきっとなんとかなります。逆にいうと自分から動かなければ、どんなに文章がうまくっても、多分ライターにはなれない(別の何かにはなれるかも)。若人の健闘を祈る。


夕方まで飯田橋K社で仕事。いいところで切り上げ、高円寺の某古本屋に電話をかける。モダンホラーの品揃えがおそらく東京随一、という最高の店だが、おそろしいことに不定休。というか閉まっていることの方が多い。このところ空振りばかりだったので、学習して事前に電話をかけてみたわけ。すると「はい、××薬局でございます」と薬屋さんにつながった。ネットに出ている電話番号、間違っとるやんけ。じれったいので直接向かう。はいはい、やっぱり閉まってましたよ。


その近くにある中央書籍というお店、あまり真面目には見たことがなかったが、ついでに立ち寄ると隠秘学、神仙道、古史古伝、スピリチュアルの類がたくさんあり、あすかあきおのタロットカードまで売っていて、思わずじっくりチェック。ガラス戸には高橋洋『霊的ボリシェヴィキ』のチラシが並べて貼ってあって、そうか、そういう系統のお店だったのか、と納得する。それにしても21世紀に武田崇元にインスパイアされたホラー映画が公開されるとはねえ。時代はめぐる。
庚申通りのサンカクヤマなど他にも何軒か古本を眺め、久しぶりの高円寺を肺の奥まで吸い込んだのち帰宅。 買った本ナシ。


疲れたので夜はもう仕事なし。浅草のあんですマトバのあんパンをかじって、DVD眺める。お風呂で本を読んでいたら、いつの間にかうたた寝。文庫本の下半分が湯につかっていた。ほよよ。



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