2016年4月28日木曜日

カルト雑誌『怪奇(グロテスク)』とは何か!?


またしてもすっかり間が空いた。
意識のうえでは6億回くらい更新していたのだが、久しぶりにログインしてみたら4月初旬で更新がぴたり止まっているではないか。
まるで管理人、読者ともに死に絶えたかのようだ。おそろしいことである。わなわなと震えだしてしまうのである。


まあ、連休も近づいてきたことだし、相変わらず内容のないこのブログを更新してみるとしよう。
何を書こうか。今日のわたしが話せることといったら、古本の話ばかりである。よし、さっき買った古本の話をしてみよう。


今日仕事帰りに中野で買ったのは、これ。
『スタジオボイス』1998年8月号、特集が「Fundamental Horrors 恐怖・絶対主義」。




その名のとおりホラーを取り上げていて、故・水木しげる翁のインタビューを筆頭に、ダン・シモンズ、リチャード・レイモン、ジャック・ケッチャムら海外作家のインタビュー、ホラー映画や漫画に関する論考などを掲載する大特集である。


『スタジオボイス』誌といえばアートシーンや音楽に強い雑誌というイメージがあるが、2008年にも「オカルト、ホラー&ミステリー!」と題した特集をおこなうなど、ホラー系にも大いに理解のある媒体であった。


扠。
この号が刊行された1998年といえば、まさにホラーの黄金時代だった。


劇場版『リング』が公開され、書き下ろしアンソロジー「異形コレクション」がスタート、伝説のホラー小説誌「ホラーウェイヴ」も創刊。
さながら地獄の蓋が開いたかのごときこの年、あらゆるメディアに「ホラー」の文字が躍り、関連のムック本も数多く刊行された。


私はこの90年代ホラーブームの洗礼をもろに受けた世代なので、こうしたムック本や雑誌を古本屋で見かけるとつい買ってしまうのである。
たとえばこんな感じ。




わたしが「怪奇幻想ライター」などという、実にマイナーな(って他にいるのか?)、クレジットカードも持てない職業を選んでしまったのは、明らかにこの時代のホラーブームの影響である。
今やあまり語る人のいないムーブメントではあるが、深い思い入れがあるので、今後も折に触れてしつこく語りつづけたいと思っています。


ところで。
わたしが「中野にて古本」という場合、それは中野ブロードウェイを指している。
アニメグッズやメイドカフェで有名な中野ブロードウェイで、怪奇幻想文学が買えるのか?といえば買えるのだ。

ほとんど観光客の訪れない4Fにある「まんだらけ 海馬」は、もともとはオカルト書専門の古書店「大予言」があったところで、そのテイストと蔵書を引き継ぎつつ、幻想、ミステリ、SFにも力を入れている。
ここに行けばUFOや超古代の本とホラーの両方が買えるので、わたしのような人間にとっては、ほとんど「ここだけありゃいいや」状態なのである。


で。
ここでこんなものを見つけた。
『怪奇(グロテスク)』創刊号である。



表紙からして終戦直後の怪奇実話雑誌の類か、と思ったら違った。「平成二十七年十一月十一日 発行」と書いてある。え?昭和27年じゃなくて?
びっくりして購入してみたところ、貸本漫画テイストの絵物語、ホラー映画評論などが載った若い人たちの同人誌でした。ほえー。
2号も出るのだろうか。今後の展開に期待。


さらに。
以前このブログにも書いたと思うが、わたしはハヤカワ文庫の「モダンホラーセレクション」を集めているのである。ほとんどそれが唯一の趣味といっていい。それ以外に趣味はないのだ。


で。
先日ついにショーン・ハストンの『スラッグス』を見つけてしまったのだなあ。
『スラッグス』といえばナメクジが人間を襲いまくるという悪趣味なホラーとして、かの倉阪鬼一郎が「幻想文学」誌の書評欄で絶賛した本として、「モダンホラーセレクション」の中でも特に見つかりにくい本として、海外ホラー好きの中でその名を轟かせている(はずだ)。


まんだらけ海馬では300円くらいだった。10倍の出費は覚悟していたのに……。


ついでにこりん星の使者ことコリン・ウィルソンの『ロイガーの復活』も購入。
こっちもあまり見かけない本。
嗚呼、もうすぐ全巻揃ってしまうなあ。そうしたらまた無趣味な人生に逆戻りである。





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