2014年12月19日金曜日

怪老人日乗・その14 「恋人は宇宙アメーバ」



最近、赤ン坊を寝かしつける際に、野坂昭如をよく歌う。
『終末のタンゴ』『十人の女学生』『花ざかりの森』『巡礼』『マリリンモンロー ノーリターン』……。


なんの因果か、私の声の高さに野坂先生のキーはよく合うのである。というか、当世そのくらいしかキーの合う歌がない。なので、赤ン坊の耳もとで夜毎、クロード野坂ばりに朗々と歌い上げているわけなのだが、それにしても、野坂ソングはことごとく人が死んだり、世界が滅んだり、人が死んだり、世界が滅んだりする歌詞ばかりで感心してしまう。
野坂昭如と桜井順(=能吉里人)はエライなあ、としみじみ感じる冬の夜なのである。








さて。
久しぶりに近況めいたものを書いてみると、原稿用紙をA4サイズからB4サイズに替えてみたのである。文章を書き始めて以来、ずっとA4サイズの原稿用紙を使ってきたが、すこし前にB5サイズに替え、さらに紆余曲折あってB4になった。サイズがでかい方が、文章を書くプレッシャーが多少なりとも軽減される気がするけど、いや、それはおそらく気のせいだろう。
ただB4だと、ページを捲るときの「べらりッ」という音が豪快で気持ちがよく、「仕事してるぞ」という自己満足に浸れるのはいい。



冬の元気なご挨拶、『ズッコケ中年3人組』シリーズの新刊が出た。
で、早速買ってきて、読んだ。
今回49歳となった3人組の前に、なんとロマノフ王朝の遺産継承者を名乗る人物が現われる。
プロローグにおいて、ニコライ2世一家の悲惨な最期をドキュメンタリータッチで描き、本編の伏線とするやり方は、往年の名作『ズッコケ財宝調査隊』を彷彿させるドラマチックな伝奇性。那須先生は相変わらずだなあと嬉しくなってしまう。
また、小学生版「ズッコケ」シリーズでも一二を争う恐怖篇『ズッコケ心霊学入門』の舞台となった西洋館が再登場してくるのも、ファンには嬉しいポイントだろう。



そいから。
黒史郎さんの新刊『怪談撲滅委員会 幽霊の正体見たり枯尾花』(角川ホラー文庫)をご献本いただいた。
溢れんばかりの「ホラーへの愛」を、ひねったアイデアによって表現してくれるのが黒ホラーの特色である。思わぬ方向から「おい」と声をかけられ、ふり返ったらそこに本格ホラーがぬっと立っていた、というような案配なので、いつも脱帽してしまう。
今回は学校怪談の撲滅を目論む組織が登場するという。どんな話になっているのか、読むのがとっても愉しみ。


というわけで、また次回。
いくつか仕事の報告もしなければなのだが、それはそのうちでいいや。うーめら、ぬーめら。
明日は目下話題のあの怪談実話作家に仕事でインタビューする予定。





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