2011年6月30日木曜日

『怪談実話系6』発売中

『書き下ろし怪談文芸競作集 怪談実話系6』が発売となりました。



収録作品は以下の9作。

道尾秀介「すいかさん」
樋口明雄「格安中古物件につき」
福澤徹三「四つの異界」
黒史郎「彗星祈願」
黒木あるじ「椎名葉草」
宍戸レイ「お化け話聞き込み日記」
松村進吉「リヴェリエ」
真藤順丈「夜のひと群れ」
岩井志麻子「いつまでも離れてくれない女」



さらに巻頭には京極夏彦氏×平山夢明氏の特別対談「平成の怪談実話事始」、巻末には平山氏、黒史郎氏、黒木あるじ氏、松村進吉氏の座談会「〈FKB〉ただいま降臨!」が収められています。
この対談・座談の取材執筆を担当させていただきました。



前者は京極氏が平山氏の怪談創作歴に迫りつつ、「怪談」というタームの来歴と、「怪談実話系」の正体を明らかにしてゆくスリリングな内容。
後者は平山一党の師弟愛が滲んだ熱血座談会で、怪談創作のヒントも満載です。とりわけ松村進吉氏が職場のユンボで仮眠をとりつつ、夜ごと『「超」怖い話』の創作に打ち込んだというエピソードなど、怪談版『まんが道』ともいうべきもので、読んでいるとなにやらん胸に迫るものがあります。



また、巻末附録の「日本怪談実話年表」(東雅夫氏作成)は、こんな内容をさらりと附録にしてしまっていいの?というくらい資料性の高いもので、怪談ファンには値千金。この6ページを書くためにどれだけの手間暇と元手がかかっているか、想像するだにクラクラ眩暈を禁じえないお仕事です。


直木賞作家の道尾秀介氏、大藪賞作家で初期『「超」怖い話』シリーズを支えてきた樋口明雄氏が初参戦されているあたりにも注目でしょう。
そもそも「怪談実話系って何?」と疑問を抱かれた方は、巻頭の京極×平山対談を立ち読みされるのが宜しいかと。
創作でもなければ、実話でもない、「実話系」の妙味が味わえる一冊です。

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