2026年3月25日水曜日

怪老人日乗:3月25日(水)

昨日は疲れて比較的早めに就眠。疲れていると「今日は寝てもいいや」という気持ちになるのでまだまだである。20世紀最大の神秘思想家のひとりG・I・グルジェフは、雨の中へとへとに疲れて帰ってきたところで、もう一度「よっしゃ」とがんばって遠出しなさい、それが「超努力」であり、人間の常識を超える行為なのだというようなことを言っている。それって単なるパワハラやんけと思うのだが(実際グルジェフ思想にはそういう危うさがあるのは否めない)でも私はあまりに「超惰性」で生きているので、ちょっとは超努力をしたほうがいいような気もするのだ。


さて昨日はそんなわけで比較的早くに休んだので、今日はどどどとブックライティングの仕事。一日50枚くらい書かないと間に合わない計算で、音楽をずっと流しぱなしでやる。作業中の音楽というのは気にならないものがよくて、よく流しているのはマイブラのファースト。周囲の雑念を消してくれるのでとても合っているが、そのせいでマイブラといえば仕事場の音楽というイメージが染みついてしまった。あとはスレイヤーなどのスラッシュメタルも仕事には適している。つまり「壁」みたいな音圧の曲の方が、環境音に近いので邪魔にならないということだろうか。たのしげな音楽(大好きなTレックスなど)は心がわくわくしてしまうので作業向きではない。

桜はそろそろ咲いてきたようで、飯田橋ではほとんど満開の木もあったくらいである。お花見はこの週末、3分咲きくらいのを見たけれども、今週はあと出かける用事もなくずっとこもって仕事だから、きちんとしたお花見はなしかな。窓の外から桜の木でも見えればいいのだが、そんな素敵な環境には住んでいない。隣家の屋根が見える。

そうそう、そろそろイベントが近い。4月は3週連続でイベントがあるので喋ることをまとめておかないといけない。しかしあちこちでイベントをさせてもらっているが、金銭的には見合うものではなく、メディア出演や取材もそうだけれども、プロモーションの意味が大きい。だからプロモーションだけしても本が売れないと意味がないので、本よ売れてくれ、波よ聞いてくれと思うのであった。一番いいのは出版社ががんがん宣伝してくれることだが、そのような便利な時代ではないので、書き手が自力でセールストークをしないといけない。いいのか悪いのか。私はそういうの苦手ではないが、苦手な人だっているだろう。いずれにせよ厳しい時代であり、とっととワニ絵師として遠い異国でブレイクするしかない。

2026年3月24日火曜日

怪老人日乗:3月24日(火)

朝の『ばけばけ』で小泉八雲死去。あと3回あるけどそれはセツさん(作中だとおトキさん)のその後をやるのかな。小泉セツは何歳まで生きたんだろうと思って書庫の別冊太陽『小泉八雲』引っ張り出してきて読む。それによると昭和7年までご存命だったようだ。スマホで検索すれば一発なのだが、本で分かるならわざわざスマホで調べるまでもアルマイト弁当。

ええとですね、今日は何をしていたかなあ。アイスクリームパラダイスで踊り回っていたのかなあ。アイスクリームパラダイスって曲が昔教育テレビで流れていたのだけど、そんなことを覚えている人は誰もいない。皆無だ。なのだがわたしは覚えているよ。学校を風邪で休んだ日は普段みない教育テレビを見られるのであったが、その日に見たような記憶がある。アイスクリームパラダイス。

それはともかく日記をつけないことには、トンカチで頭を叩かれるではないか。昨日はそんなわけで原稿作業なのだが、なかなかこれが難儀で進まず。うーんむと唸ってしまう。今日は某月刊誌の校了作業で一日外。帰宅してお夕飯、終業式だったのでハンバーグであった。


2026年3月23日月曜日

怪老人日乗:3月23日(月)

さて心が晴れ晴れである。昨日は深夜2時まで原稿をやり、朝起きてその続きをやって書評1本送った。これにて細かい仕事はほとんど終わり(あとはこのホラのアンケート回答と好書好日の時評。まあどっちも大変か)。残りの3月は大きな仕事に時間を使いたいと思っております。アンソロジーとかブックライティングの仕事とか。こんなことを書いてもこのブログを読んでいるのは世界に数人なので、仕事関係の人に伝わることはないのだが、まあ何でもいいけど書いておこう。三上寛ではないけれども「何でもいいからさらけだーせー」なのである。

で。昨日はねえ、あたしねえ、ご近所さんとお花見にいったのよお。ご近所さんというのはよく遊ぶ元ご近所さんで、今は家が離れてしまったが定期的に家族ぐるみで遊んでいるのである。お花見をしましょうということになって石神井公園に集まる。まだ桜は3分咲き。でもおかげで花見客はかぎりなくゼロに近い猿がいるだけで、広い公園をほぼ独占状態であった。駅でおべんとなど買っていて夜桜見物。ほとんどの時間、子供たちと鬼ごっこをしていましたので、疲れましたが楽しかったです。居酒屋に寄ってごはんを食べて解散。そんで寝ないで2時までがんばったので、「がんばった大臣」と呼ばれてもいいのではないだろうか。駄目だろか。

今日も焼き芋を食べてしまった……。焼き芋大臣……。

2026年3月22日日曜日

怪老人日乗:3月22日(日)

にっこにこの日曜日である。脳天が溶ける。脳の割れ目ことブレインヴァレーからわらべが出てくる。チューペットを食べている。というわけで、今日は真面目に生きております。昨日は書評1つあらかた書き、最後の段落で詰まった脳が左右に割れた。今日はもうひとつの書評を下書きからラフ書きまで進めて、がりがりやったら大体できたけど仕上げるのが大変で脳が前後に割れた。合計いくつに割れたでしょう(日能研)。

ええとですね、小さいあと1つか2つで今月終わりなので、あとはアンソロジーとかブックライティングとかやたらに手間と時間のかかるものを本気でやらないといけないんだけど、気づいたら今月あと8日くらいしかなくて、びっくり寿司である。どうなってるんだ。間に合うのか。手足をフル稼働して働くしかないのか。まあ今月は人と会ったりイベントに出たりするのがもうないので、まじめにやればなんとかなるべえ。ブックライティングの仕事は打ち合わせでコーヒーとあんみつをご馳走してもらったので、いっそう真面目にやらないといけないのだった。一宿一飯の恩義というのがある(食べてない仕事もちゃんとやりますけど)。

しかし最近は出版関係、景気の悪い話が多いですね。中東の情勢で社会全体が先行き不透明なので、そりゃ活字の世界もそうなるわなあという感じだけど、紙が値上がりして、いっそう本も値上がりするらしい。そうなると本がますます売れなくなるわけで、ぶっ飛びバードである。チロリン村の和尚である。そんな中本を出すのも大変だろうと思われるし、いやあ、1月のうちに『日本ホラー小説史』を出しておけてよかったなと思う。そこそこ部数も刷ってもらえたのでよほど大ヒットしないかぎり「増刷したいけど諸物価高騰で難しい」ということもないだろう。まあそうなったらなったで嬉しいですが。いよいよ多角経営で生きていくしかないですね。まずは果物屋さんになろう。スーパーでバナナを買ってきて「スーパーバナナ」と題して売ろう。猿の親子が買いに来る。

2026年3月21日土曜日

怪老人日乗:3月21日(土)

昨日は祝日であったが、いまひとつ仕事進まず。何をしていたのだっけ。ああ思い出した。昨日も書いた通りだが、子供とコロコロコミックを買いに行ったのだった。そうしたら頭も身体もコロコロになってしまい、坂道を転がっていったのだ。そのまま戻ってこないのだ。恐怖恐怖。

今日はがんばるぞ、と思いつつ日記をつけているのであるが、今日は変な夢を見た。恒川光太郎さんの家に遊びに行ったのである。

恒川さんとは面識はあるが、当然お宅にお邪魔したことはない。しかし夢の中では何人かで遊びに行くような仲になっていて、恒川さんの住んでいる一軒家にお邪魔する。夕方のような昼ようなぼんやりと暗い時間帯で、窓を開けるとそこにはトマトの大きな家庭菜園があり、ここから収穫して食べているのだという。一緒に遊びに行ったのは何度か仕事をしたことのあるカメラマンさんとか編集さんなどが中心で、総勢10人近くいたような。どうにも仕事絡みの意識が夢に現れたのではないかと思われるけれども、一軒家の外は空港になっていて、夢の後半ではそこを歩いていくと、やくざのようなスーツの男がもう一人のスーツの男と激しく陰惨な喧嘩をくり広げており、倒れた男が思いっきり手ひどく頭を蹴られていて、「本気の喧嘩ってあんなに頭を蹴るんだ」とショックを受けた。その男はまわりにも手当たり次第に言いがかりをつけて、おばあさんなどにも暴力を振るっていた。そのまま空港の廊下を通っていくと大きなホールというか倉庫というか、そういう建物があって、そこに入るには荷物を預けないといけないとか言われて、ハンガーにかけた上着を持ってそこに並ぶが(どうもこの上着は恒川さんの家に行った時に脱いだものらしかった)、見るといつの間にか上着が消えてシャツだけになっており、だったら預けるまでもないやと思って、列から離れた。

そのような長い夢を(おそらく断片的な夢がひと続きになって思えたのだろうが)見たわけで、あまり私は夢を見ないのでなんだか変な気持ちである。仕事方面で疲れているのでしょうかね。

土日でどれだけ作業が進められるか。ところで先日ある人に仕事でメールを送ったところ、「土曜は休んでいるのでメールを送らないでほしい」と言われて、そんなものかと思った。別に返信してくれなくてもいいのだけどなあ、確認は月曜になってからでもいいのになあと思うのだが、土日は休むと決めている人はメールが届くこと自体がいやなのかもしれない。こちらは「月曜までに原稿を」と言われることが多く、土日もずっと仕事をしているのでそういう意識が薄かったのかもしれないが、なんだか釈然としない。釈然和尚の辻説法である。南無阿弥陀。



2026年3月20日金曜日

怪老人日乗:3月20日(金・祝)

祝日という名の祝日である。オホホ節だ。ええとですね、今日は何をしようかなあ、あたしねえ、アイドルになっちゃったんだー。おふほふふふ。という観覧版が回ってきたらあなたどうします?

私のブログって毎回一段落目は読み飛ばしてもいい感じだよな。しかしこの「何々だよな」って呼びかける感じの文章っていつからあるんだろうな。なんかさばけているようで、そうでもないようで、古い雑誌文化の匂いがして自分はあまり使わないけど、こういうのもたまにはいいよな。

また意味のないことを書いてしまった。ふらふら病だ。ぶらぶら病という病はあるけど、私の場合はあちこち意識が飛ぶのでふらふら病です。ふらふら病院のふらふら先生です。わっはっは。ええとですね、今日は朝から仕事していた。7時間くらいは寝たので元気復活である。うちは土日はパン、平日はごはんという朝食なのであるが、今日は祝日だけど一応まだ金曜日だからごはんでした。残り少ない『ばけばけ』を見て、やり残した某月刊誌の作業。

お昼は子供と二人で食べたが、子供はお昼ご飯を10時半に食べてしまったのでもうお腹が空いたという。近所のいかしたマーケット(イトーヨーカドーというらしい)に運動がてら駆け足して、照り焼きバーガーを食べさせる。それでコロコロコミックを買ったらたちまち1500円くらいなくなった。おそるべし物価高。1500円あれば映画が一本見れるじゃないか、と昔の感覚ならば思うけれども、もう映画も2000円くらいするのよねー。

昨日は朝4時前に起きて原稿書き。某月刊誌用の新刊書評をやる。なかなか取りかかる間がなくて今日やっと着手できたというわけ。うーんむ。3月になったらいきなり忙しない。去年はこんな暮らしをしながら本を書いていたんだから、そりゃ余裕がないわけだ。原稿書きじりじりやってお昼も食べずに2時完成、メールで送稿。ほっとする。

ささっとお昼作って食べて、ラジオで喋ることの整理。で午後4時からリモートで関西の某ラジオ番組の収録。放送は4月らしい。『日本ホラー小説史』について1時間半ほどお話しする。zoomの調子があまりよくなくて、ちょっとタイミングがずれて話が被ってしまうところがあり、お聞き苦しかったら申し訳ないです。しかし喋る仕事も増えてきたなあ。ライターというのは本来影武者というか影亡者というか、あまり表に出ない仕事のような気がするのだが、そうも言っていられないご時世である。

収録終わって6時前。さすがにくたびれて眠いのだが、そこからぐいっと頑張って長らく放置していた某月刊誌の作業。夜は長らく間が空いていた『チ。』を1話見る。あ、おわりの歌が変わった。Netflixに入ったはいいけど、忙しくてあんまり映画も観られてないなあ。『サユリ』くらい観たいのだけども。

山田剛毅さんのクトゥルー画集いただく。『邪神三十六景』(トゥーヴァージンズ)。この試みを知ったのはずいぶん前で、面白いことをされている人がいるなあと関心したのだけど、先日、邪神忌の打ち上げでついに山田さんとご挨拶できました。







2026年3月18日水曜日

怪老人日乗:3月18日(水)

その心は!?知りません。というわけで今日も日記がスタートした。この日記は本当に美味しい。美味しい日記だ。美味しくて脳が溶ける。脳溶日記だ。さて、文藝とは何であるか。それはアイスの蓋をべろべろを舐めている猫人間のことではないでしょうか。けっけっけ。

今日も4時起き。昨日もそうだったっけ。原稿4つ渋滞で吐きそうになっていたが(歯を食いしばるから耳の奥がキーンとしてくる)なんとか今日の昼前に難産だった文庫解説が完成。ほっとする。あと大急ぎのものは書評が1本。その他にもいろいろあるけれども、まあそこは徐々にやっていこう。明日はラジオ出演もあるので、そっちの台本も考えないといけない。ビリー・スーパー・デューパーだ。意味不明だけど、スーパー・デューパーなのだ。

ええともうちょっと面白い日記を書くぞ。うちにはボードゲームがいくつかあるんですけど、その中には子供の頃に買ってもらったボードゲームも混ざっているんですよ。『ウルトラザウルスがどーのこーの』っていうゾイドのやつ。これが面白いのかそうでないのか分からないのですが、いろんなゾイドと戦えるから楽しいんですね。少し前にやったけど、やっぱり面白いのかどうなのか分からないなりに面白く、私は物持ちがよくてよかったなあと思いました。

私はですね、テレビゲームの思い出ってほぼないのです。子供の時になんとなく買ってもらえない雰囲気で(まだゲームはよくないと一部で言われていた時代)まあ頑張ってねだれば買ってもらえたのかもしれないけど、そこまで親と交渉するような気力もなくて、唯々諾々とそれを受け入れつつ代わりに本を読んだり、ゾイドで遊んだりしていたのである。『ドラゴンクエスト』も一回もやったことがなくて(友だちのうちでは見てた)代わりにやったのが角川から出ていたゲームブックのドラクエである(今調べたら角川じゃなくて双葉文庫だった)。スライムなんかと戦った気がするが、それも面白いのかどうか微妙な本で、私の中では曖昧な思い出なのであった。

曖昧な思い出ばかりが多い人生である。



2026年3月17日火曜日

怪老人日乗:3月17日(火)

うおー、借金人生。いやお金を借りているわけじゃないのですよ。いろんな締め切りが一気にやってきて、背中のあたりでじーっとみんなが見ている感じ。このプレッシャーに耐えられるかどうかでフリーランスの人生は決まるのだが(ということは『まんが道』にも描いてありましたね)まあ私はですね、「やべえやべえ」と焦って必死にがんばりつつ、常にエヘラエヘラとした人間でもありますので、この二面性でなんとか乗り切っております。

いい加減解説をアップして、次のやつをやりたい。まあ午後には終わるであろ。終わったらあちこちにメールを返信しますので、少々お待ちを。やっぱり何でも溜めるとよくないなあ。溜めていいのはボンボンドロップシールだけだなあ。ボーンボーン盆。

昨日もそんな感じだったのだっけ。ああそうそう、パソコンがそろそろ危うい感じになってきたので新しいのを検索する。ThinkPad、オフィスを入れると20万近くになっちゃうのかー。大昔のパソコン価格だなあ。2000年頃はそのくらいの値段だったような気もするが、その後いろいろあって値段が下がったのだけど、今はまた上がっているのだねえ。もう下がらないという説もあるし、買わないといけないか。うーんむ。

で昨日ね。夜まで原稿書き、なんだか下書きが終わったところで、飯田橋の某月刊誌編集部へ。その日に戻さないといけないゲラがあって20時半から10時までやる。夜に仕事に行くと世間的にはびっくりされるのだが、日中は原稿に集中したいし、夜の方が電車も編集部も空いているから、結局はこの時間に出るのがいいのである。帰宅してお風呂、徹夜するつもりであったが疲れて寝る。で今日になって原稿。ドラマ『ばけばけ』は真面目に見ているが、そろそろ最終回も近し。仕事はあれこれを15分ずつローテーションでやる。ラジオ出演も台本も埋めないといけない。それは明後日。まあ好きなホラーで生活できているんだから、我が儘をいったらバチが当たるであろう。

2026年3月16日月曜日

怪老人日乗:3月16日(月)邪神忌2026

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。バブーバブー。

ええとですね、昨日はイベント出演。っていうかさあ(いきなり話がずれる)先週は土日に原稿2つ、月曜に1つ、水曜に1つやって、週末にもう1つあげたけど、それっきりである。ええと合計すると5つか。うーん、もっとがんばれるはずだったのだが、こんなものなのかなあ。お待たせしてそうな書評や解説が4つくらいあって、あとはアンソロジー方面の対応もあり、月末までにはブックライティングの締め切りもあるので、なかなかどうして今日は真面目にやらないといけません。1個か2個は書き上げたい。




さて昨日はイベント登壇、お招きいただいて邪神忌2026。ラヴクラフトの忌日に毎年開催されているイベントで、朱鷺田祐介さんと森瀬繚さんがレギュラーで、その都度ゲストが呼ばれるという形。そこにゲストで今年は呼んでいただいたのである。日本ホラー小説とクトゥルー神話の関係がテーマ。私はラヴクラフトはすごく好きだが、クトゥルー神話全般にはそこまで思い入れがなく(一通り読んではいます。TEDクラインが好き)、ましてTRPGのことなんてまったく知らないので、行っていいのかしらと心配もありましたが、いざお邪魔してみたらとても楽しいイベントでありました。

まずは朝4時に起きて原稿1本仕上げ。順番を繰り上げて早く送ってほしいと言われた対談原稿を特急で仕上げる。特急値段にしたいくらいだが、まあどうせこの数日で書かなければいかなかったのでよしとする。それが終わってイベント準備。大量に用意した本をトートバッグに詰める。本の現物がないと話が始まらない、というのは打ち合わせでもイベントでも同じで、その方が分かりやすいしいいと思うのですね。このスタイルは東雅夫さんの影響があると思う(東さんもよく本現物を持参されている)。

Tシャツは去年の角川ホラーカーニバルで買った貞子柄。クトゥルーのシャツでもないかと思ったがそんなものはなくて、まあ立場的に日本ホラーのシャツの方がいいだろうと思った次第。バスに乗って阿佐ヶ谷まで。西武線から中央線はバスに乗っちゃうのがアクセスいいのです。阿佐ヶ谷について11時にお昼。まだ時間あったのでコーヒー屋でチョコクロ食べて休憩していたら、先日藤沢のイベントにも来てくださった方にばったり。ホラー好きで今日も参加してくれたという。また後ほどとご挨拶してロフトAへ。ロフトはあちこちお邪魔しているが阿佐ヶ谷は初。新宿より若干小さくて、横浜のネイキッドと同じくらいかな。バーみたいなカウンターもあっていい雰囲気でした。楽屋の壁にはゆでたまご等、いろんな人のサインが。

しばし待っていると森瀬さん、朱鷺田さん登場。森瀬さんとは数年前の取材でお会いして以来、朱鷺田さんとはXでは繋がっているが直のコンタクトは初である。簡単に今日の流れをざっと話し合い、あとは12時半までのんびり過ごす。会場はほぼ満席で、ありがたいことでした。ラヴクラフトに献杯した後、トークイベントは朱鷺田さんの「100年前のラヴクラフト」という企画(宛名書きのバイトをしていたらしい。そしてへこたれてやめたらしい)。その後、トーク本編でありました。2部構成で前半は森瀬さんが作ってきた年表に沿って、戦前から現代までのホラーの流れをクトゥルー神話の受容を合わせて語る。森瀬さんの語りに、時々私がはさまるという流れで、例によって乱歩とかオカルトブームとか、日本のホラーについてお話ししました。

で10分ほど休憩。この時点で1時間半ほど経過している。ご挨拶にきてくれた方にサインしたり、おなじみのお客さんに挨拶に行ったり。平凡社の担当さんも来てくださっていて、ありがたいことでした。心強かったー。YAZIRIさんという方から写真のような立派な絵をいただく。かっこいい。下の枠組は五稜郭だそうで、とっても感激しました。Xで繋がっているねこたろうさんからは、マンドラゴラの瓶詰めの剥製をいただきました。




さて後半はもうちょっと現代ホラーに寄った話で、今のホラーにクトゥルー神話成分は濃いのか、薄いのかみたいな話を。これはなかなかに難しい問題で、クトゥルー神話が当たり前に受け入れられる時代になったがゆえに、あえてクトゥルー神話をやっている人は少なくて、それに類したものをそれぞれが作り上げているという感じがします。気配というか、気分というか、そういうのはクトゥルー寄りなんだよね。その例として『墜ちた儀式の記録』などを紹介。『リミナルスペース』も現物を見せながら、こういうのが世界的に流行っているんだよーとお話ししました。クトゥルー・ミュトス・ファイルズはなかなかレーベルとしてはうまくいかず、惜しかったですね、という話も。このあたり盛り上がった気がします。

Q&Aコーナー、ラヴクラフトビールなどが当たるくじ引きタイムを経て(『日本ホラー小説史』を当てた方はこれが3冊目だという。ありがたいことだ)3時半くらいにすべて終了。実に3時間のロングなイベントでありました。皆さまお付き合いありがとうございました。その後、懇親会。仕事あるし帰ろうかなあと思っていたけど、せっかく楽しい日なので参加する。近くの居酒屋で。外見はインドネパール料理店、でもメニューは普通の居酒屋っぽくもあるというミステリアスなお店。初めての方ともそうでない方ともお話ができて嬉しかったです。お向かいがずっと絵を見ている山田剛毅さんで、ホラー映画のことなど色々。森瀬さんはクマを食べた話をされていた。あとはイギリスの幽霊譚のこととか、SFマガジンに書いた現代ホラー論のこととか、北海道は道が広くて車がよく落ちるという話とか。

終わったら7時前。バスに乗って帰宅したら車酔いしたので、駅前にあった丸亀製麺で休憩。うどん食べて帰る。WBCは観られなかったが、家族によると熱戦で面白かったらしい。しかし準々決勝で敗退。


2026年3月13日金曜日

怪老人日乗:3月13日(金)

 世の中には直木賞がある、ノーベル賞がある、ならば「赤ちゃん賞」があってもいいのではないだろうか。駄目だろうか。その年で一番赤ちゃんっぽい人に授ける賞である。優勝はおそらく赤ちゃんだろう。バブーバブーと泣くのである。北海道弁でいうなら泣かさるのである。

というわけで昨日今日の日記を書く。よく老化するとわけの分からないことを言ったりするというが、私は一年中ずっとわけの分からないことを言っているから、判別がつかないね。急にまともなことを言い出したら危険な兆候、危険な情事、危険なジョージ秋山である。ええとだね、昨日は終日原稿書き。何もなかったので捗るはずだったのだが、案外そうでもなく。妙に身体が疲れていた。歌舞伎町にあてられてしまったのかもしれない。で夜までもやもやと原稿やる。

今日は午後に取材一本、zoomなので気が楽だ。午前中はゲラの読み返し&質問項目の整理。インタビューというのはどれだけうまい角度から質問を投げられるか、そこに結構比重がかかっていることがあり(そうでない場合もある。ケースバイケース)質問をあれこれ考えておくべきなのだ。ゲラにメモを書き込みながら準備していたら昼になり、スーパーに出てお昼を買う。またまた焼きそばである。野菜も取れて、早く食べれて、お湯も沸かさなくていいしで昔から忙しい時はこればっかなのだ。京都に住んでいた頃は焼きそばを食べ過ぎて、幽霊の声を聞いたことがあった。

取材無事に終わり、そこからまた原稿書き続き。何本か今週後半で送るつもりだったが、まだまとまってない。今日には1本、明日にも1本送らないと。取材の依頼が2本。インタビュアーとしては私はもうロートルというか、そろそろおじいさんの方だと思うのだが、まだ依頼してくださる方がいてありがたし。ライターって身軽な方がやっぱり頼まれやすいと思うのよね。へらへらしてよう。へらへら。えへらえへら。僕は身軽な人間です。

さて、ポストを開けたら倉野憲比古さんの新著『ナッハツェーラーの城』(中央公論新社)が届いていた。ばばーん。むちゃくちゃかっこいい。ネットで書影は見ていましたが、現物はいっそう黒く、禍々しいですね。この作品、非常に面白いミステリなのですが、私は複雑な気持ちで読まざるを得ないというか、どういうことかというと竹本健治『ウロボロスの偽書』の登場人物になった人の気持ちといいましょうか(笑)。読んでいただけると疑問が氷解するかと思います。最近本も高くてなかなかハードカバーの単行本を買うにも勇気がいりますが、これは変なミステリ、奇怪で不気味なミステリが好きな方なら読んで損はない作品ですので、おすすめいたします。