2024年11月20日水曜日

怪老人日乗:11月20日(水)

現在午前1時半、おおう、お風呂で2時間も寝ていた。危ないなあ。あまり眠い時にお風呂に入らないようにしよう。よく「不眠」とか「眠りが浅い」ということで悩む人がいる。新聞にもそういうことに効く薬だとかグッズに関する広告がよく出ている。しかし私は生まれてこの方、一度も不眠で悩んだことがないのである。

いや、一度もというのは嘘か。小中学生くらいの時は、なんだか気が高ぶって眠れない夜だとか、悩みがあって目がさえる夜だとかがあった。しかし大人になるとそんなこともなくなり、どんな日でも大抵まあ寝られるのである。仮眠しようと思ったら朝になる。終日コタツの中にいるような案配だ。だから本物のコタツだとかお風呂だとかに入ってしまうと、「寝る」のスイッチがオンになってしまって、たちまち体が本気寝モードに入ってしまうのであった。健康的でいいことなのでしょうが……こういうのは幼児的ではないかと思わなくもない。

というわけでですね、もう横になりたいけど、どうしようかなー。仕事がまだ残ってるといえば残っている。ガンジーの似顔絵を描いたり、ありんこにダンスの振り付けをしたり、宇宙の横幅をはかったりしなければならない。大変な仕事ばかりだ。人生楽ありゃ九九八十六である。わたしの書くブログはどうも怪文書めいていけない。精神的に不安定な人の書く文章のように思われているのかなあ。どうなのかなあ。どうなのかなあ。

ペリカンはですね、川の裏から這い上がってくるそうですよ。そして帰っていくときはですね、誰にも姿を見せないんだそうです。全身ぐっしょり濡れて、国会議事堂で、書類に足跡をつけて、そのまま消えていくんだそうです……。




2024年11月19日火曜日

怪老人日乗:11月19日(火)

ヤアヤアヤア、チャゲとアスカの夢芝居(明恵上人臨終に際して詠める句)。というわけでですね、今日もう火曜日っすよー。この日記を読んでいる方は、おお怪老人日乗が更新されてるじゃあん、ウケる、とクリスマスツリーの下でアイスを啜りながら思っているのかもしれませんがですね、私はもうなんかいろいろ焦っておりますよ……。原稿が……。

まあいい。11月は幸いそんなにもう締め切りがないのだ。ひょっとしてあとひとつかもしれない。だとしたら書き下ろしをいっぱい進められるはずだ。今日原稿ひとつ送って9枚。今週のノルマ50枚まであと41枚、これはすべて書き下ろし分にあてよう。

今のBGMはですね、頭脳警察『歓喜の歌』です。90年代再結成時のアルバムで、代表曲のひとつ「最終指令“自爆せよ”」が収められています。わたしは頭脳警察の詩のリリカルなところ、世界文学っぽさが好きなのですね(シンプルな演奏も好き)。笠井潔の矢吹駆ものに近いテイストといいますか、20世紀の戦争と革命のあのヒリヒリした感じでがすね、漂っていて20世紀中毒の私にはたまらないわけです。水晶の夜をテーマにしたPANTAのソロアルバム『クリスタルナハト』なんて相当に好きです。




ところでロックは好きなんだけどロック好きと人前でいうのは恥ずかしい、という複雑な思いがあります。まあ自意識過剰なんですけれども、なんだかロックのノリにどこまでも入り込めないというか、あのストレートな熱さを強要される雰囲気、直情的な革ジャン&ブーツな雰囲気というのが苦手で、だけどクラシックもジャズもテクノも聴かないから、一番好きなのはロックということになるんでしょう。ロックの中で特にグラムロックが好きなのは、性倒錯的で、喧嘩が弱そうで、ロマンチックだからです。つまりわたしは精神年齢5歳児くらいの芸術が好きなのであって、一般的なロックはもうちょっと精神年齢が高い(14歳くらい)ので、そこでかみ合わないのかな、という気もいたします。

と大きく寄り道をしましたが、今日は遅れている原稿を一本送り、さらにゲラ読みを進めて、合間に書き下ろしの作業。図書館に行って資料の借り出し。合間にヤフーオークションと日本の古本屋ともったいない本舗を巡回して、ホラー史の資料を買う。あとイタリアに英語でメールを送りました。怪老人らしく国際的な仕事もしております。Google翻訳がなければどうもなりませんね。

さてこの数日は結構時間が潰れてしまったのですね。主に交通事故の処理、保険屋さんと電話して状況を聞かれて、その後の保証についての連絡あれこれ。はあ慣れないからなんだか疲れます。若干首とか脇が痛いですが、幸い大きな後遺症もないようでホッとしました。あと日曜は駒沢公園に出て、少年野球の試合観戦。12対0という大差で負けたけど、都心の立派なグラウンドで試合ができたからいいんじゃないでしょうか、とか思う人は強くならないよなあ。こんどの金曜は出版業界のパーティ、土曜はNHKの講座。髪でも切りに行ったほうがいいのかなあ……。


2024年11月16日土曜日

怪老人日乗:11月16日(土)

いやあ、毎日毎日くだらないことを書いておりますが、それが突然できなくなることもあるわけで、昨日はいきなり交通事故的なものに巻き込まれかけて、あぶないところでした。無事ですが。しかしその関連で今日はあれこれ連絡などあり、一日潰れてしまったよ。ワニ絵を完成させるまでは死ねないですからねえ。って本を出すまではじゃないのか、という話もあり、そっちもやらねばならんなと思いました。はい。

そんなわけで今日は一日潰れて、夕方からまたのろのろと仕事再開。『ミステリマガジン』1971年8月号が根室の古書店から届く。表4(いわゆる裏表紙)の広告がポータブル電卓で、世界初、電池で動く電卓、お値段なんと87000円!「お父ちゃん~電卓買ってくれよ~あれ格好いいんだよ~」と泣いていた当時の計算マニアキッズ(いるのかそんなやつ)は、今の電卓投げ売り時代を見てどう思っているのだろうか。「ウフフ……」と思っているのだろうか。

笑い声の文字表現というのは不思議なもので「ウフフ」と書くとなんかほくそ笑んでいる女性っぽくなるし、「ケケケ」と書くと怪人的になるし、「クワックワックワッ」と書くとゴルフクラブを振り回す白髭の老人だし、「キャキャキャ」といえばいたずらな娘っこの妖怪だし、「ピッピッピ」といえば朝宮運河ですね。わたしの笑い声、「ピッピッピ」ですよ、生まれた時からずーっと。

しかしこの怪老人日乗、何人読んでいるのか知らないが、芸術点がかなり高いね。埴輪弓弦選手のように芸術点が高いですね。わたしはワニの絵にしても怪老人日乗にしても、爆発的にヒットするポテンシャルを秘めているのですが、多分しないでしょう。するとしたら聞いたこともない小国でヒットするんじゃないですか。白黒のアニメになったりしてね。国民全員「ピッピッピ」と笑うようになりますね。


2024年11月15日金曜日

怪老人日乗:11月15日(金)

必殺仕事人にまったく詳しくないのだが、もしかしたら「必殺仕・事人」という主人公が出てくるのではないか。「事人」というのは聞き慣れない熟語だが、そもそも聞き慣れない熟語なんていくつもあり「スケバン刑事」だって考えてみるとよく分からないのだから「必殺仕・事人」であってもおかしくはない。問題は「事人」の意味するところだが、まあ「人事」みたいな意味ではないのだろうか。となると「必殺仕」が問題だが、沖仲仕という船の荷物を積み下ろしする仕事があるから、そういう関連ではないのだろうか。となると沖仲仕のまあ仲介人というか斡旋業者というか、そういう話のような気がしてきた。面白いですよ、必殺仕・事人。

ということを考えながら生きていたら日が暮れるので、午前中に急ぎのゲラをふたつ返し、あちこちにメールを返信した後、ちょっとバイクで出かけてきた。久しぶりに「今日までに」という〆切がない日であって、こんなことも珍しいから西荻窪駅の古本ツアー。

中央線の西荻は10年ほど前まで住んでいて、当時はまだ子どももなく、ぶらぶらと中央線の文化を満喫していた呑気な時代であった。西荻窪は飲食店が多いが、古本屋もまた充実していて、ミステリ系で有名な盛林堂をはじめ、総合的に点数が高い音羽館、絵本なども多いにわとり文庫などいくつもいい古本屋がある。

住んでいる頃はそういうお店に通っては、まあ要らんような要るような本を買っていて、あれはあれで幸せだったのだが、今回はそういうのとは違うのです。割と目的を持って本を買いにきたのです。というわけで古めのホラーを探しに行く。あまり長居もできず、上記3店に行ったのみであって、本当はもっと歩き回ればいろいろお店もあったのだけど、まあ2冊買えたからいいとしましょう。喜田屋で豆大福買って、お土産とする。ここの豆がゴロゴロはいった大福も久しぶりである。

まあ西荻も結構変わっていて、うまい定食屋さんがなくなっていたり、いろいろ変化があるわけですが引っ越して10年も経っているのでそこまで胸の痛みを感じるわけでもなく、もともと頭が茫としている人間ですので、「ほへええ」と思いながら帰ってきました。帰りにスーパー備え付けの電動ミルでコーヒー豆を挽いたら、大量にこぼしてそこらへんを汚してしまったことの方がショックです。大人なのに……すまねえ……と思いながらできるだけ片づけて帰ってきましたが。

そうそう、今日盛林堂で香山滋『怪異馬霊教』が売ってて、まあ当時のオリジナルなものだから当然高くて買えないのですが、その近くにまったく別の作家が書いた『怪異妖霊教』という本もあって、ややこしいし紛らわしいし、あれは一体なんだろう。香山滋をパクったような本なのだろうか。






2024年11月13日水曜日

怪老人日乗:11月13日(水)

なんていうんでしょうね、これは。分かりませんね。卵ですかね。それとも人の骨でしょうかね。分かりませんね。ニワトリかもしれませんけど……。いや、やっぱり骨ですかね。頭蓋骨……いや、ゼリー状のなにかですね。寒天かな。それとも臓器のようなものかもしれませんね。透明ですし。やっぱりニワトリかな……。

ということを思いながら解説原稿をいま1本送りました。ぜいぜい。だいぶ遅れてしまってもう爆発寸前ギグというか、大変申し訳なく思っております。8枚書いて、昨日は6枚書いてから合計14枚。昨日までの29枚とあわせるとなんぼや、計算が苦手だけど43枚か。あと7枚で今週のノルマ50枚に到達。まあ今夜鳴いても吠えてもインタビュー原稿11枚を書かないといけないので、それで到達しますね。

ところで鳴いても吠えても、ってうちの親はよく言うのですが、世間的に使われる表現なのかしら。いま検索してみたら、全然ヒットしない。標準語どころか方言でもないのか?何なんだ、あれ。うちの親はハウリング的な、狼の血族的な何かなのか。ちなみに「吠えても」のところは「ほいても」と発音しますね。「ないてもほいても」。普通にいまだに使うのだが、そういえば他に使っている人に会わない気もするニャア。

さてこれから3時までゲラ読みして、質問項目を外で作って送り。その後テープ起こししして深夜までインタビュー原稿書き。ぎりぎりだったけど、なんとか綱渡りでどうにかなりそうだ。今朝、仮眠しながらYouTubeを聴いていたら、自動再生で平山夢明さんと京極夏彦さんのラジオが流れてきて、すごく面白くて目が冴えてしまった。



2024年11月12日火曜日

怪老人日乗:11月12日(火)

なんということでしょう。今日はもう12日。うう、いろんなことが遅れているぞ……。というわけなのですが、今原稿ひとつ送ってまた日記付け。SNSで進捗を書くとやかましい感じになるので(個人の見解です)ブログに書いておくけど、これもどうでもいい人にはどうでもいいので、「どうでもいいぜ!」と思った方はコメント欄にコメントをください。っていうかこのブログのコメント欄、ほとんど使用したことないですね。やっぱり画面の向こうの人との距離って、SNSがだいぶ縮めてくれたんだなあ。

それでですね、ええと今原稿ひとつ送って11枚だから。そして昨日までに18枚書いているから、合計して29枚ですか。今日はこれから解説原稿8枚書いて、某誌入稿で6枚書くことになるので、ぜんぶ足すと43枚か。さらに書き下ろしを追加するか、好書好日のインタビュー記事11枚を書いて、どっちにしても50枚はいくでしょう。このペースで毎週働きたいところです。明後日のインタビューのゲラも読まないと~。

面白いことも書くぞ。ええとですねえ、笑点を見ているわけです。毎週。毎週。飽きもせず。で春から新メンバーとなった立川晴の輔さんがですね、どうにもまだこなれていない気がします。試行錯誤しているのだとは思うし、制作サイドも知恵を出しているのだと思うのだが……。しかし子どもの頃、笑点を見ていて「ピンクの人は面白くないなあ」と好楽さんが回答するとぶつくさ言っていたので、それが40年くらいして好楽さんがこんなに面白くなっているのだから、晴の輔さんもあと何十年かしたら面白くなっているかな、と期待しておきましょう。他のメンバーは安定の面白さ、特に一之輔さんがこんなに笑点で輝くとは思ってもみなかった。人間置かれた場所でどうなるかは、置かれてみないと分からないものである。見る前に飛べ、死んだら驚いた。以上、笑点ウォッチャーのつまらない意見でした。あ、面白いことを書くつもりだったのに。

先日井上雅彦さんとちょっとお話する機会があったんですが「昔はスプーン曲げられたよ」とさらっとすごいことをおっしゃっていて、えええっと思った。詳しく聞きたい。目の前で曲げてみせてほしい。さて今日も仕事。



2024年11月11日月曜日

怪老人日乗:11月11日(月)

おお、おおそれみーよ。どういう意味かは知らないけど、とにかく一週間も日記が空いてしまった。わははははは。そういう時はですね、卒塔婆をですね、八百屋の店先に並べましょう。

というわけで日々真面目に暮らしている。真面目すぎて若干面白くない。もっとこう華やかな、そういう方面の気配があってもいいのではないかと思うのだが、いかがなものでありましょうや。ええとですね、先週はずっとエッセイをやっていた。久しぶりに日本近代文学方面の頭を使ったので、なんというか調べ物などにも時間を要し、いや、そもそも作品をあれこれ読んでネタを見つけるのに難儀して、ひええと思いました。大学の恩師からのご依頼だったので、遅れたけどなんとかかんとか書きおおせることができて安堵。アンドロメダ星雲。

でそうこうしてたら先週は終わりかけていた。木曜はホラーワールド渉猟の取材で飯田橋。明るいうちに帰宅して仕事したけど、なんか疲れてしまった気がする。金曜は終日原稿書きをやっていて、5つくらいの原稿をぐるぐる回しながら進める。30分ごとのタイマーを回してやっている。じりじり進んではいるが、ぱっと成果が出ないのでやや焦る。そうして日が暮れる。

土曜はですね、何をしていたっけ。土曜も終日仕事だったかなあ。そうなのか。せっかくの土曜なのに?うーん、子どもは野球に行っていたはずだ。奥さまはバイクで植物園に行ったのかな。わたしも遠出したかったけど、家に縛り付けられていたのだった。地縛霊である。日曜はミスドに出て原稿と仕事の本読み。夜は取材、だったのだけど先方が体調不良ということでオンラインに切り替わった。で夜はZoom使って2時間ほどホラーな取材。月初はいろいろとねえ、仕事が入るわねえ。

というわけで今日である。ぼやぼやしていたら先週末〆切のやつが色々終わっておらず、あわてて朝からやる。昼頃河出のエッセイのゲラを戻して、30分タイマーをかけて仕事。ダ・ヴィンチの対談記事仕上げて送信、13枚。でこの日記をつけながらコーヒー休憩。最近はおやつを全然食べないので、せめてミンティアを食べています。200円くらいする粒の大きい奴。これもよく見ると砂糖が入っていて、まあ完全にお菓子断ちをしているわけではない。しかしおやつを食べるのをやめた数日間は、足がわなわな震えたりしたので、あれはやっぱり離脱症状だったんでしょうなあ。

今頃畏友鈴木優作氏はイタリアの空の下である。かの国の大学で探偵小説について講演されているらしい。わたしもがんばらねば。書き下ろしが進んでないけど、まあ一週間にもろもろあわせて50枚書くと決めたので、そのペースを守れるようにがんばるです。今のところまだ18枚。これから怪と幽の取材記事、汐文社アンソロジーの解説、合間に書き下ろしも進めて、ホラーワールド渉猟の記事もまとめなければ。明日は某月刊誌の入稿作業で、木曜は小学館で取材。今週はこんな感じですか。ああ、すぐ12月になるなあ。やだやだ。


(数年前の楳図かずお展にて)

2024年11月4日月曜日

怪老人日乗:11月4日(月・祝)

三連休最終日。なんだか最近三連休が多い気がしませんか。カレンダーの並びがいいのか、誰かがそのように調整しているのか。誰かって誰だ。宇宙人か。




といわけで三連休なのはありがたいのだが、その間に仕事を進めねばならないのがフリーの辛いところで世間様と同じように休んでいては、だーだーだーと赤ちゃんのようになってしまうのである。意味がよく分からない喩えだって?わたしにも分からない。すべてがミステリーである。スリラーである。

ええとですね、で昨日は図書館に行きまして重たい資料をあれこれかり出してきて、家族が誰もいなかったのでお昼を作って食べて、そこから大麻じゃない、タイマーで時間を計って仕事を進める。あれこれ手を広げて少しずつ全体に進めた感じで、まあだからこれが完成したとか、あれが脱稿したとか、そういうことはない。しかし全体に少しだけノルマが減ったので気分は若干楽である。

今日もこの感じで行きながら、遅れているエッセイ原稿を仕上げよう。なんというかですね、原稿が遅れていると背筋のあたりにジーッと視線を感じるようで疲れるんですよね。『まんが道』でもテラさんが「〆切に遅れるとすごく疲れるだろ」と言ってましたが、本当にそうで。しかし分かっていながら遅れてしまうのは手が速くないのとキャパをオーバーしているから、なのでしょうか。しかし昨日大伴昌司の仕事リストを見ていたら、いったい一ヶ月に何個特集を掛け持ちしてんねん、という仕事量であって、すごい人はすごいのだなあと思った。

ところで皆さんは配信で音楽を聴いているのだと思う。わたしもSpotifyやYouTubeで聴いたりすることもあるが、結局のところCDで聴いてしまっていることも多い。選択肢が多いと迷いすぎて、頭がごちゃごちゃしてくるのである。スティーヴ・ジョブズは洋服を一種類しか持っていなくて云々、というどうでもいい話をあたかも美談のように言うビジネス書の作者が多いですけれども、そしてあのエピソードは別にどうとも思わないのですが、しかし選択肢が多いと頭が混乱ショップになるのは確かで、ご飯とかも迷って何も食べられなくなる、ということがわたしの場合、あったりします。

そういう人間のですね、まあ特性というのかもしれませんが、それを理解したうえで仕事を進めないといけないので、ネットでタイマーを買いました。時間が視覚的に把握できて、子どもが宿題とか歯磨きとかをちゃんとやれるようになるやつ。今日届くようです。

さて芸術の秋ですよ。マジソンスクエアガーデンで歌ったり踊ったりしたいけれども、そんな機会もないし、粛々と仕事をやりますよ。甘い物はほとんど食べていない。こんなことは人生初かもしれない。といっても完全に絶ったわけではなくて、人からもらったときとか、お土産でケーキやたい焼きがあるときなどは食べます。自主的に習慣的に買うのを控えているわけ。体を壊して甘い物を食べられなくなったら、人生の楽しみの半分が減るのでねえ。

今朝聴いているCD。沢田研二『ア・ワンダフル・タイム』、ミック・ロンソン『プレイ・ドント・ウォーリー』。どちらも華やかなのにメランコリックでとても良いアルバム。楽しいのに胸が痛くなるほど淋しい、そんな楳図かずおのマンガのような世界がわたしは好きなのです。皆さんもきっとそうでしょう。






2024年11月3日日曜日

怪老人日乗:11月3日(日)

さてさて、呑気に過ごしていたら3連休が終わってエライことになるで。カメの歩みでも粛々と仕事を進めなければ。今日やることを列挙いたします。やれるかな、無理だろな……。

図書館(2館)に行って資料借り出し、ついでに食材買ってきてごはん、借りてきた資料読む、エッセイの構成作り&ラフ書き→完成、解説の資料読み、解説の構成作り&ラフ書き、インタビュー原稿の文字起こし×2、インタビュー原稿のラフ書き、次回ホラー取材の資料読み、書き下ろしAを進める、書き下ろしCの目次作成。

という感じである。まあこれがすべてできる人もいるのだと思うし、現実的にも可能な量かなあという気もするけれども、私は資料読み&エッセイ書きくらいで連休は終わる気がするな。問題なのは書き下ろしで、これをどこに組み込むか。午前中はもう書き下ろしということにしてしまった方がいいのかもしれない。前はそうしていたし、そのときは精神衛生上よかったような気もする。

また進捗を書きます。帝都の臣民よ、震えて待て。ところで沢田研二に「OH!ギャル」という曲がありまして、歌詞はこうです。「OH!ギャル、ギャールギャルギャルギャルギャールー」だからどうしたというわけではないですが、こういう曲もあるということをですね、私は皆さんにお伝えしたかったのです。このアルゼンチンの井戸の底から……。

なんで突然『OH!ギャル』なのかと言うとですね、『OHの肖像 大伴昌司とその時代』を買ったからなのです。微妙にプレミア価格がついていて、これまで買わずにいたのですが仕事で必要なので入手。同じ理由で未入手だった森真沙子『闇のなかの巡礼』もゲット。「手が出せないわけじゃないけど、プレミア価がついていてなんか買えない」というラインの本(2000円台とかの)を最近はがんがん買っています。書き下ろしCのためだけど、破産すっかも。そしたらピラミッドに埋めてください。3000年後、カーター大統領が発掘にくるでよ。




2024年11月2日土曜日

怪老人日乗:11月2日(土)

どどどーん!と3連休が押し入れからはみ出してきた。西東三鬼もビックリの勢いだ。しかしだね10月末までの仕事が終わってないので、秋の行楽などは無縁仏で、粛々と仕事をいろいろやるわけである。なんかさあ、一日の密度というのは人によって違うのではないかと思う。すごく濃密に色々こなせる人もいれば、薄ーく日々が流れていく人もいて、私は明らかに後者のタイプなのだった。このままでは10月中の仕事を抱えたまま12月に突入してしまいそうなので、まあ少しでも濃密に、あれこれこなして生きていきたいと思っているわけですが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。喝。

ええとですね、今日はあまり天気がよくなかったようである。全国的にもそのようで、各地で大きなイベントが中止になったりした。たとえばあれである。宇宙人の地球征服。おそろしいですねえ、怖いですねえ。

というわけで東京も雨だったのであるが、まあ私は外出するのだよ。午前から家を出て某月刊誌の作業。午後までやって飯田橋から神保町に移動。どこかでお昼でも食べたかったけれども時間ぎりぎりで出版クラブのビルに着く。出版クラブというのは初めて足を踏み入れたけれども、たい焼きの達磨のすぐそばであった(閉店してしまったミステリが多い古本屋の近くでもあった)。綺麗なビルである。もっとこう、薄暗いいかにも昭和的なビルヂングかと思っていたので意外であった(失礼!)。

で中国のスティーヴン・キングこと蔡駿さんのトークショーを観覧する。三津田信三さん、三橋暁さん、舩山むつみさんが順に蔡駿さんに質問する形でトークが進む。かなり日本のミステリ、というか小説全般を読まれているようで『幽霊ホテルからの手紙』に出てくる森村誠一作品はもちろん、松本清張、東野圭吾、宮部みゆき、意外なところでは大江健三郎もお好きだという。また初めて書いた小説は『リング』の影響を受けている、とのことで鈴木光司ウイルス強し、とあらためて実感したのでした。

会場では入場無料なのに本が一冊ずつ配られるというなかなかゴージャスな催しで、『幽霊ホテルからの手紙』にサインをいただいた。三津田さんにも久しぶりにご挨拶。舩山さんとも初めてお話しできた。その他Xで繋がっている方、ホラー方面で仲良くなったりお仕事ご一緒したりしている方も多く、なんというか非常にホームな感じのイベントでありました。立原透耶さんとも10年ぶりくらいに会うことができました。

帰りに倉野憲比古さんとコーヒー飲んで、恒例の書き下ろしがんばりましょうねの会。倉野さんはアップルデニッシュとあんパンとコーヒーフロートという甘いもの祭りだったが、わたしは甘味を絶っているのでコーヒーと小さなパンのみ。偉かった。しかし砂糖を絶つと如実に体に影響が出てきて、手が震えたり、心臓がドキドキしたりする。

雨の中帰宅して日記つけて仕事をねえ、しないといけないねえ、と壁の中から声がするのだが、いやあ、風呂に入ったら眠いよなあ、という声が天井裏からするのであった。どちらも忍者が潜んでいるのであろう。すべての忍者に合掌。