2025年9月9日火曜日

怪老人日乗:9月9日(火)

うおおお、9月9日だああ。クククの日じゃないか。しかも火曜日。カッカッカの日でもあるじゃないか。つまりあれだ、別に何でもない。

というわけで日記をつける。打ち合わせに行ってきたらくたびれた。昨日は床で寝たせいで身体が痛いのである。そのうえ米袋ほどあるトートバッグをもって飯田橋のK社(KADOKAWAにあらず)で打ち合わせをしてきたのだ。来年2月に出そうな本について方向性のすりあわせ。うんむ、いい感じの本になりそうだ。

しかしわたしは1月、2月は休もうかなーと思っている。休むといってもレギュラーの仕事はあるので、それは続けるのであるが、それ以外の解説とか書評とかを全部断ろうと思っているのだ。そうでもしないと身体が休まらないのである。今年はまだ9月であと4か月くらいあるけども、そこはまあどうせすぐにさらっと過ぎるだろうからね。ね。ね。

ええとですね、それから締め切りは結構まだたくさんありますね。映画パンフの原稿は終わってゲラも3つ返していま某書評と書き下ろしを並行してやっている。解説がふたつあるけど、それは書評が終わってからでないと取りかかれない。まあ仕方あるまい。

というわけで帰ってきて原稿をやろうと思っておりますが、今リビングに客がきていて、コーヒーを淹れにいけないのだった。どうしたものかな。コーヒーを飲まないと神経が保たない。わたしはコーヒーをがぶがぶ飲むことで憂き世のあれこれを忘れながら、側転しながら世界を突っ切るような人生なので、コーヒーが飲めないとなってはヤバいのである。ヤバい、の語源はフランス語の「河童」であるという。知っていましたか?

コーヒー豆の値上がりがヤバい。あ、またヤバいって書いちゃった。おれは若者か、そうなんだな。というわけで書きますが、コーヒー豆が値上がっているんですよ。もう焙煎所の豆など買えないからスーパーの豆になったわけですけども、あまり大量生産的なのは美味しくないので、できるだけその場で挽けるやつとかを選んでいます。しかしコーヒー豆を出しているメーカーもさるもので、これまで200グラム入っていた豆が140グラムくらいに内容量が減ってますね。普通にしたら1000円を超えちゃうから、売り上げが落ちることを恐れているんでしょう。たしかになあ、1000円超えると、日々の嗜好品でちょっと考えてしまうよなあ。わたしは何度もいうけどコーヒーがないと側転もできない人間ですので、まあ買い続けるでしょうけども、それでもなあ。さすがに量は減らすかなあ。でもでかいカップで湯水のようにガバガバ一日中飲んでるのがいいんだよなあ。

という所帯じみた話題はいかがだったでしょうか。ホッホッホ、ホーロー(このCM知ってる?)

2025年9月6日土曜日

怪老人日乗:9月6日(土)

家族がみんな出かけていったので、心おきなく仕事ができる。こんな土日を過ごしているが、いいんでしょうか。よく「長時間労働で、土日も仕事で家庭が崩壊……」みたいなネットニュースを読むたびに、フリーランスは大丈夫なんかいなと思う。まあフリーランスといっても人によるし、職種にもよるけどね。触手がうーにょうにょしている人は、病院にいったほうがいい。

そんなわけで原稿。さっきから映画パンフ原稿書き始めて、1時間で2枚書く。このペースを保とう。保~。とよく分からない男に思わず呼びかけてしまったが、そういう気持ちで、保~なのである。どういう気持ちなんだ。本当にこのブログはわけが分からない。Xも最近わけが分からないけど、あれはまだ告知とかあるからな。コミュニケーションツールでもあるし。こっちは完全に独り言だから。真夜中のひとりごと、by伊奈かっぺいだから。

はい、話を戻しますと、1日8時間書いて、2枚ペースでやると16枚は進む。これでいいじゃないですか、十分じゃないですかと思う。人間それ以上書いたらパーになりまっせ。というわけで今1時間やりましたけど(午前は下書きをしていた)あと7時間、14枚書いたら今日のノルマは達成。残った時間は映像の編集をしたりメールを返したり資料を読んだりゲラを読んだりします。結局仕事じゃんという気もするけど、書く仕事とそれ以外とを分けておかないと、結局書く時間が減ってしまって、生産量が減るのであった。った。った。

ええとですね、サイン本がすでに皆さんの手元に届いているらしい。今回初めて銀ペンでワニの絵を描きました。画家っぽくてよかったです。夜の駐車場で知らない人の車にも書きたいけど、すぐばれそうだからやめておこう。わたしは昔からああいう絵を描いていて、絵が下手なのがコンプレックスだったのだが、というか手先が不器用で、工作も手芸も下手で、そういうことができない系の自分がなんかいやだったのだけど、この年になると開き直ってきて、下手な自分がいいじゃない、という感じになってきたのであった。

宇宙から河童のような声がして、頭が割れそう……(オホホ丸さん・90歳からの投稿)

ところでこのブログ、編集さんは読んでいないと思うので安心して現状を書きますが、今映画のパンフをやって、そこから文庫解説(K文庫)をやって、ゲラ読みをして(S社)、そこからS社の書評をやって、合間に書き下ろし(H社)を進めて、そこからやっとゲラ読みをして(B社)その本の文庫解説を書いて、という感じであります。9月の繁忙期は前半で、これを過ぎると結構マシになるのでH社のやつは後半で巻き返したいけど……どうなんだろう……。怖い。あ、A社の連載もやらないと。

2025年9月5日金曜日

怪老人日乗:9月5日(金)雨だっぴゃ編

おお、気づけばもおう8月も終わりではないか。しかし今年は暑くて夏の終わりを実感する間もないのだ。昔はですね、アニメの『うる星やつら』に「さよならバイバイ夏の日々」というエピソードがあって、センチ妖怪とスイカさまが出てくる話の2本立てなんですけど、それが好きで毎年見てましたね。機会があれば見てみてください。夏が終わるなあという感じがあって、しんみりするやつです。リメイク版でもやったのかな、スイカ妖怪の話。

さて、今日は朝2時半に起きる。そのままごわーっと原稿をやり、送ったら昼前である。昨日予定表を貼ったけれども、そのひとつめが終わったところで、まだまだ気が抜けない。お昼食べたのでこれから映画パンフ原稿。外は台風接近につきすごい雨。おかげで飯田橋での対面打ち合わせ延期になり(こちらが延期にしてもらったのだ。大量の資料本を持って歩くのはきつい)終日家で原稿ができるのがよかったですねえ。

よかったですねえといえば、朝ドラを珍しく試聴していて『あんぱん』を楽しく見ております。蘭子ちゃんと八木さんがどうなるのか気になるところだが、このドラマは渋いおじさんがいっぱい出てきて嬉しい。竹野内豊にはじまり津田健次郎、妻夫木聡と皆、渋くてよい感じである。こういうのを見ていると中年男性になるのも悪くないと思えるが、あれは俳優だからそうなのであって、こちらはひょっとこみたいなものである。ところで今、ひょっとこと変換したらいきなり「traditional clown mask with a comically contorted face and a pursed-up mouth」と出てきて怖かった。なんじゃこりゃ。そんな英訳はいいから。ひょっとこをただ片仮名に変換してくれたらいいからさあ。

紀田順一郎氏、逝去。紀田氏についてはXでも書いたけれど『現代怪奇小説集』の影響がとにかく大きい。『怪奇幻想の文学』『世界幻想文学大系』より、私は『現代怪奇小説集』なのだ。つまりは日本のホラーが好きだった、ってことなのかもしれない。いや、もちろん英米の怪奇小説も大好きだったけど。紀田氏と中島河太郎氏が見せてくれた日本のホラーの歴史、というもうひとつの文学史にワクワクさせられた、ということなのだろう。

おひょひょのひょ。多分、紀田順一郎氏はおひょひょなんて書かないだろう。いや、分からないな。博識な人でも書いたのかもしれない。とりあえず側転しながら、おひょひょと書く奴は世界でも私くらいだろうと思ったが、そもそもわたしは側転ができないのだ。だから誰もいない。昔はいたかもしれない。アンデス山地あたりに……。おひょひょマンが……。

2025年9月4日木曜日

怪老人日乗:9月4日(木)

昨日は朝4時まで起きていた。体感的にはついさっきである。そこまで仕事していて、今日は普通に7時に起きて仕事をスタートしたので、どうにも昨日と今日の繋がりがありすぎるのだった。まあ忙しいから仕方なし。昨日から本をひたすら再読しまくって10冊とか読んでいるので、夢にも内容が出てくる。

ええとやることが多くてグーグルカレンダーで整理。今日は某雑誌の特集記事を仕上げ、某月刊誌の入稿作業をやって、さらに映画パンフの原稿。できてもここまで。明日は対面打ち合わせがあるけれども、それまで映画パンフの原稿完成してメール、帰ってきて書き下ろしの作業続き。土日はさらに進めて遅れを取り戻しつつ、待ってもらっている文庫解説A。そうこうしてたら文庫解説Bと新刊書評の仕事もくるので、それをやる。好書好日の連載についてはまだノープランで、慌てて人選してアポイントも取らないといけない。

そんな感じの週末になりそうである。まあずっと全力で走っている感じであるが、若い頃はずいぶんだらだら過ごしたので、その分今働いていると思うとあまり苦ではない。心苦しいといえば諸方面をお待たせしてしまっていることだが、これはもうがんばってますよ、というしかないのであった。




そうそう、そんな状況でありつつ昨日は30分くらい動画撮影をする。あとは編集で『ホラ100』紹介動画が出せるのだが、もうひとつ『怖い話88』の動画もあわせて撮りたいところ。こっちも編集して近々出す予定である。ライター業が儲からないという話、いまだにネット上で呟かれているが、それを打開するには文学フリマとかnoteとか動画とか、自営業としてやれることをやるという手もあるのではないか。幸いそういうのは嫌いではない。ただ今のままだと時間がなくて、そういう手段に訴えるのも難しいのだけど。

最近は初版部数が減っていると言われるが、書店が閉店して行っている今の状況では「これでも多いくらい」だという。某社の編集さんに聞いた話である。となると印税で生活していくのは厳しいことになり、何かこう、踊りでも踊ってアリンコにお金をもらうとか、そういう道を選ぶしかない。ぴょっぴょっぴょ。



2025年9月3日水曜日

怪老人日乗:9月3日(水)

さてさて。今日はもう3日でございます。おひな様じゃ。ひっひっひ。というわけでですね、おひな様を飾ってですね、川から流してですね。これが恐山の風景よ。

ええとなんだ、そういうわけで動画を撮りたいと思っているのだ。どういうわけだ。最近動画を撮っていないのだ。そもそも私は本を出した時に宣伝するように、と思って動画チャンネルを立ち上げたのである。『このホラーがすごい!』を成功させないとと思ってとか、年末のベストホラーの結果発表を動画でもやらないとと思ったのもあるが、何より本の宣伝に繋げたいという思いがあったのです。それができていないのは本末転倒、やるかあ。いろいろ原稿山積で、ギョッとするほどヤバいのであるが、こういう時こそ積極的に動いた方がいい気もするのであった。2時間くらいあれば撮れるしね。

というわけで今日家族がいない間に撮影しちゃおうと思う。家族はいま『近畿地方のある場所について』を観に行っているのだ。わたしは今年に入っておそらく1本も映画館で映画を観ていない(試写室では2本見たけど)。『近畿』もパンフレットの仕事用にオンラインで見たのである。昨日も書いたけどライターの原稿料安い問題、わたしは「とにかく量をこなす」で対処しているところがあり、極端に安いものは断りつつ、それなりの額のものをたくさん受けて生計を立てている。まあこれができるのは私が書く仕事が嫌いじゃないからで、いくら座っていても苦にならないのである。無趣味だし。

というわけで今日もずっと仕事。明日は打ち合わせ。南無。




2025年9月2日火曜日

怪老人日乗:9月2日(火)

さて思い起こせば5月、6月は尋常でなく忙しかった。7月も似たようなものであった。書き下ろしの作業と普段の原稿仕事がまざって、倒れそうなくらいであった。喉元過ぎれば熱さを忘れて、へへーんという気持ちになっているから、原稿仕事をこうやって続けていられるのだが、忘れっぽくない人なら「もうあんなつらい思いはしないぞ」と思うであろう。わたしは忘れてしまうので、続けていられるのである。

で。で。で。9月もそんな感じになりそうで、怖い。ゾクゾクホリデーである。休日でもないのにホリデー気分とはこれいかに。南無阿弥陀仏の声のみ聞こゆ。まずですね、書き下ろしの3冊目がある。それはまあいい、以前からのお約束だ。やりましょう。しかし6月7月忙しくしていて、結構お断りしていた解説とか、書評とかがあったのである。で9月くらいになったら暇になっているだろうし、生活費を稼がなくては、と仕事を面白がってばんばん受けていたら、それが積み重なっており、9月4日くらいにまとめて締め切りがくる。どれもまだできていない。大変だねえ。

そういうのの作業をしているから今日はめっちゃ大変だ。しかも4日は某月刊誌の入稿日であり、そういうのの作業もある。えらいこっちゃわ。まずゲラ読みが1000ページくらいある。それだけで大変なのだが、細かい原稿を10本書いたり、映画を観て評を書いたりもしないといけない。どれからやろうかなあ、刺身と天ぷらとステーキとおはぎがあるようなビュッフェスタイルであり、目移りするほどだ。クラクラ日記……。

しかし川奈まり子さんとか吉田悠軌さんみたいにイベント出まくりつつ原稿を書いている人もいるし、梨さんとか背筋さんみたいに尋常でない量の仕事を受けている人もいるし、朝里樹さんみたいにありえない数の単著、監修書を出している方もいるので、まだまだ私の仕事の詰め方も甘いのである。もっとお弁当箱のようにぎゅっとすれば、いろいろできるはずなのだ。と思ってがんばっております。来年はもすこし休むけどね。

そういえばXで一昨日あたりから「ライターの原稿料が安い問題」が噴出している。そりゃあ高いに越したことはないのである。わたしも安いものは断る。実はこの額以上でなければ断ろう、という基準があって、それにしたがって選んではいるつもり。もっとも媒体によっては「お金ないんだろうなあ」というところも実際あるので、そういうところは伝統的にその安い値段なのだろうし、そういう時は何も言わずに引き受ける。媒体とか特集の内容にもよるところも大きい。面白そうなら安くても受けられるのです。さらっとアリの巣の前で踊って、アリからお金がもらえたらいけど、そんな仕事はない。


怪老人日乗:9月1日(月)

ぱーくぱくとご飯を食べる季節がやってきた。それが9月。ご存じでしたか?

ええとですね、わたしの本は読者には外国の方もいるわけです。ホラーが好きな方です。そういう人がこのブログを見たらどう思いますか。わけが分からない気持ちになるんじゃないかと少し心配です。しかしですね、それは日本の方も一緒ですね。もうこのブログはもともとわけが分からないんです。わたしという人間自体がですね、土管のようにわけが分からないんです。土管はわけが分かるか。

そんなわけで。

今日は朝から雨が降っていた。嘘です。めちゃくちゃ快晴であった。それどころか37度くらいあって猛暑日であった。嘘だと思うでしょう。本当なんですよ。まーたまた、高山のヒマラヤがそんな高温になるなんて、と思うでしょう。本当なんですよ。ホッホッホ。ホーロー。話が進まないので改行せずに進めますけれども、しかしこうやって話があっちゃこっちゃ飛ぶ人って現実にもいるよね。自分はそうじゃないと思いたいけど、どうなんでしょうか。ブログがそうだから、しゃべってる時もこうなのかなあ。だとしたら申しわけないなあ。カメに申しわけが立たない。

ええとですね、それで出かけたんですよ、朝の9時35分に家を出て、9時46分の電車に乗りました。急いでいたので駅までは自転車。駐輪場が混んでいるのは9月1日だからだろうか、みんな学校や会社が始まったのだなあ。そんなわけで高田馬場に向かいまして、編集さんと待ち合わせたうえで芳林堂書店さんへ。サイン本作りである。

60名限定でお宛名入りサイン本フェアをやったら結構すぐに定員に埋まりまして、ありがたい!と思っているところなのです。でお宛名を入れながら念仏を唱え、数珠をじゃらじゃらと鳴らし、側転をしたうえでサインを入れさせていただきました。うおお、知っているお名前がたくさん。Xの相互フォロワーさん、多数。プロの作家さん、複数。なんだかありがたいなあと思いにけり。それぞれに絵も入れる。「ワニを入れないともっと早いのに」と言われることもありますが、字が下手な分、絵でも入れないとやってらんない。昔はハンコも無くて純粋にサインだけ、絵もなしだったので(そういう時代のサイン本お持ちの方はレアです)だいぶオホホホな感じであったが、今は絵を入れるようになって、少しは空白が埋まり、ウホホホな感じになったかと思う。

結構がんばってサインを入れ、ほっと一息つく間もなくですね、芳林堂さんのお店に置くサイン本も作成。こんなに置いていただいて大丈夫か?と思うのですが、これまで出した本、すべてを大量に入れてくださいまして、いやあ、描いた描いた、ワニを描いた。ワニを描いて言うと飽きてくるのでカニとか河童とか蛇も描きました。どれも転倒、じゃない、店頭に並んでいるはずです。3階です。高田馬場駅、ロータリーを出てすぐ。ドンキの入ってるビルです。わたしの本が大量に並んでいると思いますので、ぜひぜひ、ご購入ください。持っているとねえ、なんかこう、胸の奥がね、ほっこりドッキリずっきりするんじゃないかなあ。喝!

あとはまだまだ『現代ホラー小説を知るための100冊』コーナーも大展開中です。ここまでやってくれる書店さんは芳林堂書店さんだけ!他も続いてくれても……いいんですよ!とにかくありがたいことでありました。芦花公園さんの『宇宙の家』を購入してお店を辞す。

そのままビルの地下でお昼、編集さんと。いくつか誤植があったのでその事後処理について相談。あとは売り上げの話など。次の本も出せたらいいですねえという話も少しする。お昼はトンカツをごちそうしていただきました。わたしは隙あらばトンカツを食べる人間なのだが、最近は物価上昇につきあまりトンカツも思うように食べられない。おごってもらえて嬉しかったです。

で暑い中帰宅。途中下車して図書館に行ったのに閉館日。無意味に初乗り料金をもう一度払って帰宅しました。午後はだらだらと仕事。うーんむ。仕事はあまり進まないがヤフオクで本は3冊くらい落札できた。




2025年8月25日月曜日

怪老人日乗:8月25日(月)ネコヤナギの宇宙人編

というわけで今日は8月25日だ~やった~。といっても別に何もないですが、とりあえず喜んでみました。おふふ。おふふって何だ。そんな笑い方をするやつがいるのか。分かりませんがお茶でも飲んで落ち着きたまえ。分かりました。おっふっふ。

ええとですね、日記を書きます。わたしはですねえ、昨日黒史郎さんも同じようなことを言っていましたが、人前でしゃべるようなタイプじゃないんですよ。それなのに自分がメインのトークイベントをするような日が訪れるとは、人生何が起こるか分からないものです。「扉の陰に地獄だよ」というのは映画『サスペリア』の名台詞なわけですが、扉をバーンと開けるとですね、そこに意味の分からない景色が広がっているのが人生ではないかと、適当に思う今日この頃だぜえええ。

というわけで日記を書きますね。ええとそんなわけで、昨日はイベントだったんです。横浜駅西口のネイキッドロフト横浜。ここ来たことあるなあ、と思ったら以前豊島圭介監督の取材に来たことがあるんだった。まさか自分が出る日がくるとは、お釈迦さまでもスケルトンよ。お昼の11時半に会場入りしてくださいと言われていたので、少し早く着いたので近くで鯛焼きを食べてから会場入り。浴衣の女性がずらりと列をなしていて、こりゃあ何事だと思ったら若いアイドルっぽい方(?)のイベントが同じビル内の隣のホールであるのでした。




ロフトのHさんと講談社担当Fさんにご挨拶。このイベントはHさんが声をかけてくださったもので、刊行記念としてとてもありがたい場を設けていただいたと思っております。感謝感謝。楽屋にはすでにゲストの黒史郎さんが入っておられて、お久しぶりのご挨拶。X上では毎晩のように交流をしている、というか私が3時とか4時に起きて仕事をしていると、大抵作業しているのが黒さんなのですね。黒さんと楽屋であれこれ。まあ流れを決めずにトークしても大丈夫でしょう、という話で。実際大丈夫だったのですが。編集Fさんはクイズコーナーなどを準備してくださっていたようですが「いや、クイズはなくてもいいのでは……」ということになりまして、やらなかったんだけど、本当はやった方が喜ばれたんだろうか、クイズ。(「朝宮さんが好きな動物はなんでしょう」とかそういう設問がいくつか準備されていた)




で12時半イベントスタート、1時間ほどお話しして休憩。客席には怪談・ホラーな方がたくさんご来場でびっくりするやら恐縮するやら。お客様もこの夏おなじみの、という方々が多く、ほっとする感じでありました。人様に支えられているなあとイベントをやると実感しますね。トーク内容はといえば、私と黒史郎さんの交流のきっかけになった『てのひら怪談』『幽』あたりの話題、そこから『ダ・ヴィンチ』での樹海探索の話になり、私の新刊に絡んで江戸川乱歩の話、ラヴクラフトの話など。あとで反省したのは、もうちょっとお客さんに挙手してもらうなどして、どのくらい国内ホラー、海外ホラーを読まれているのかお尋ねすればよかったなということ。ラヴクラフトの話、唐突にしてしまいましたが、大丈夫だったかしら。




休憩挟みまして後半では黒さんの読書経験、あとは鶴見でのホラーな体験が作品に生かされているということ、などなど。危ない話も飛び出しまして、黒さんの鶴見トークは相変わらず面白いですねえ。最後は質問コーナーで、いろいろお答えできたかと思います。今後の予定についてもホラー史をやりますと宣言してしまったので、がんばって書かねばなりません。来場してくれていた星海社丸茂さんからは「来年でいいじゃないですかー」と言われましたが、そういうわけにもいかぬのよ。あとは怪と幽編集長の岩橋さん、元ダ・ヴィンチ編集長の関口さんなど、怪談方面でずっとお世話になっている方々も。

イベント後はですね、ロフトのシステムとして飲食すればチェキが取れるという(しかも抽選で)という催しがあって、それいるのか?芸能人ならともかく、一年中部屋に閉じこもっている怪奇な中年とチェキを撮りたいかと思わなくもない。というかお客さんもそう思っている。のですが、やらねばならぬ。さらに編集Fさんがわたしのワニの絵となぜか1枚だけわたしの写真を額縁に入れてきてくださいまして、それも抽選で。写真が当たった方、すみませんでした……。チェキは相互フォローの方に当たったので、まだ被害最小でほっとしております。




駅で黒さんと別れ(神永学さんが100枚書くと言っていたから、我々もがんばりましょう、という話をしました)崎陽軒のシュウマイ買って帰宅。皆さん、差し入れたくさんありがとうございました。夕飯、焼きそばとシュウマイ食べて、あれこれ仕事してさすがに疲れて寝る。仮眠のつもりが朝まで。まあ今日は仕方ない。


2025年8月24日日曜日

怪老人日乗:8月24日(日)

さてさて、久しぶりに日記をつけるのであった。この一週間ばかり床で寝るのにハマっている。おほほのほ。布団で寝るといっぱい寝てしまうので、床で寝るわけである。すると数時間で目が覚めるので、その瞬間うりゃああと叫びながら身体を起こすと幽体離脱するらしい。知ってましたか?

さて、今日はトークイベント@横浜である。ネイキッドロフト横浜で、黒史郎さんとトーク。皆さまお待ちしていますよ。今日気づいたという人は配信チケットで見てくださいね。




そんなわけで『怖い話名著88』(講談社)、無事に発売されたのでした。8月21日刊。もうね、出ないんじゃないかとか、脳が左右に割れるんじゃないかとか、いろいろ噂されていましたけど、無事に出せてよかったですよ。ほんとに。あれほど怖ろしい執筆体験は人生でも数えるほど、と思ったけど、毎度こんな感じの気もして、まあ反省のない人生であるよ。併走してくださった編集さんには感謝、感謝でありました。

売り上げについては聞いていませんが、Xを見ていますと皆さん結構買ってくださっているようで、ありがたく思っております。『怖い話名著88』の方が実は『現代ホラー小説を知るための100冊』よりも、幅広い層に届きそうな本という気もしていて、でも(私のXをフォローしているような)マニアックな読者以外の方々に気づいてもらうには、もう少し時間がかかるかな、という気もしています。のんびりいくべえ。

アマゾンヌを見ますとどちらもベストセラー1位、という文字が躍っていますが、これはランキングのマジックで、『ホラ100』は星海社新書の中で1位、『怖い88』は文学史カテゴリーの中での1位です。それでもすごいことですけどね。ありがたい、ありがたい。

んで。あとは何を書くつもりだったかな。最近の近況。ええとですね、なんかこう本がいろいろ届きますね。ヤフーオークションを仕事柄よくチェックするのですが、最近は「どなたか終活されたのだなあ」という本がいっぱい出ていて、綺麗な怪奇幻想系のですね、状態のいいのがたくさん出ていて、うひょおおと思いました。入札したけど全然落とせなかったよ。なんでしょうね、あれ。1700円までは出せるけど2200円は出せない、みたいな。あとから考えると一緒じゃないかという感じがするんだけど、そのときは勇気が出ないのよ。

『怖い話名著88』についてもう少し。この本はですね、川奈まり子さんの『眠れなくなる怪談沼 実話四谷怪談』という面白い本がありましたけど、あれを担当された方と編集者が同じです。さらにいうと講談社で出てヒットした一連の稲川怪談本の担当さんでもありますね。その方にお声がけいただいて作ったのが『怖い88』で、ホラーに限らずトータルに怖い本のガイドを、1世紀を対象にしてやろうというのがコンセプト。

書くにあたっては「もっと朝宮色を出してください」と何度も言われまして、最初はもうちょっと文学史っぽい知識を入れていたんですけども、それよりもエッセイ要素を入れてほしいと。これまでそういう書き方、このブログでしかしたことがなかったですから、いや、このブログはエッセイなのか、怪文書だよな……と思いつつも話をするっと進めますが、そんなわけで「朝宮メモ」という各ページにつけたコラムでは、個人的な思い出などを書いています。アニメ『カリメロ』の話とか、高校時代の同級生M君の話とかを。そんなわけですのでいつになく素の部分が出ていますが、ご容赦。っていってもXとかブログを見ている人には、怪な人であることがばれているので、あまり印象に変化はないか。

ぽんぽこりん(タヌキの頭を叩く音)

2025年8月15日金曜日

お仕事告知の介・逆襲篇

 というわけで近日のお仕事を紹介する。ホッホッホ、ホーロー(このコマーシャル知ってる?)

『小説すばる』9月号に赤川次郎さんの『怪異名所巡り13 明日の幽霊は踊らない』(集英社)の書評を寄稿しました。見開き2ページ。このシリーズは普遍的な面白さを誇るユーモア怪談で、時々ぞっとさせられたり、ずっしりくるヘビーな問題を投げかけられたり。そんなあたりも魅力ですね。赤川作品の変わらないよさを堪能しました。




ホラー大特集の『小説現代』8・9月合併号にて彩藤アザミさん『読むと死ぬ本』(講談社、9月10日発売)の書評を執筆。ロシアの作家の幻の本を読んだ人たちが、相次いで不審な死を遂げていく。というとおなじみのホラー展開なわけで、この小説を書いている著者自身にも怪異が迫ります。モキュメンタリーっぽい作りではありますが、彩藤さんらしいキャラクターの良さもあり、あっと驚く趣向もありで面白いです。




東京メトロのフリーペーパー『メトロポリターナ』8月号は令和のホラー特集で、巻頭のコラムと作品ガイドを執筆。特集全体のまとめになるような記事ということで、令和ホラーの特色である「フィクションが現実に這い出してくる感じ」を『リング』の映画版の貞子や、江戸時代の百物語の例をあげながら、さらりさらりと語っているコラムです。多くの人が目にする媒体だけに、作品紹介はなるべく今っぽいものを選定。他に背筋さん、長江俊和さん、チビルマさんとお仕事ご一緒したことある方々がいて、なんだか嬉しい感じ。コンパクトながらよい特集でした。




リアルサウンドブックさんにてインタビューをしていただきました。取材・執筆いただいたのはは山内晋太郎氏。『現代ホラー小説を知るための100冊』についてお話ししました。ありがとうございます。Yahoo!ニュースやLINEニュースなど各媒体にも配信されているようです。乱歩の『魔術師』で獄門舟に乗って生首がどんぶらこーどんぶらこと流れてくる場面の衝撃について語っております。






近日発売のものとしては怪談ラジオ特集に呼んでいただいた『ステレオ』9月号、ホラーSF特集に寄稿した『SFマガジン』9月号なんかがあります。そんな感じかな。あとはラジオ出演、24日の横浜トークイベント(チケット買って!)、などでしょうか。ワニの世界を覗いてみないか?